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2025年06月05日

父の日に寄せて

 615日は父の日ですね。

 今回は、私が父の愛に気づいた時のエピソードを紹介します。

 高校生の頃、心身の調子が優れず、学校に行けない日が続くことがありました。
 特に朝になるとお腹が痛くなり、制服に着替えることもできず、そのまま布団にくるまって過ごすことが多くなっていました。

 そんなある日、父が部屋に入ってきて、そっと私の横に座りました。そして、小さな声で祈り、原理講論を訓読し始めたのです。

 その瞬間、私は戸惑いと反発の気持ちでいっぱいになりました。

 「なぜ今ここで祈るの?」

 「私にプレッシャーをかけに来たの?」

 そんな思いがこみ上げ、怒りや反発の感情が、私の心の中でぐるぐると渦を巻いていました。

 でも、後になってその出来事を友達に話した時、彼女はこう言ったのです。

 「それって、きっとお父さんなりの愛だったんじゃないかな」

 その言葉に、ハッとしました。今よりずっと幼かった私は、そんな風に考えたことがなかったのです。

 その後、勇気を出して父に質問してみました。
 「あの時どうして、私の横で祈っていたの? 学校に行ってほしくて?」

 父はこう答えました。
 「そうじゃないよ。ただ、娘が幸せな方向に導かれるようにと、神様に祈っていたんだよ」

 父は少し不器用な人で、感情を口にすることが得意ではないと思います。
 でも、あの時父は、精いっぱいを尽くして娘である私を愛してくれていたのだと、その時やっと気づくことができたのです。

 人それぞれ、愛のかたちは異なります。

 言葉で伝える人もいれば、行動で示す人もいます。ただ静かに寄り添うことで思いを伝える人もいるでしょう。

 愛情を伝えようとする努力がある一方で、それを受け取る側が相手の思いに耳を傾け、心をくみ取ることも同じくらい大切なのだと知りました。

 これからも自分自身の伝え方や受け取り方を見つめ直しながら、より豊かな人間関係を築いていけたらと思います。


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Blessed Lifeでは「父の日に寄せて」「母の日に寄せて」というシリーズが配信されています。ぜひ読んでみてください。

▲第1回を読む


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