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2014年04月28日

【文章教室16】カタカナを使って読みやすく。でも、思わぬ効果も

漢字が多いと「難しそう」というイメージになります。そのことは以前にもこのブログで説明しました。漢字語が並ぶと堅苦しい感じになります。

一方で、表意文字である漢字は、それを見ただけで意味が伝わるという長所もあります。それで、漢字とひらがなをうまく使い分けることをお勧めしたのでした。

新聞の1面にコラム欄があります。800字ほどの短い文章で、時の話題を取り上げながら、政治問題や社会問題を提起したり、時には、歴史の秘話を披露したり、文化を論じたりと、話題が豊富で飽きません。ご存じと思いますが、漢字とひらがなのバランスが良く、読ませる工夫がされているのです。

このコラムが読みやすいのは、漢字とひらがなのバランスが良いだけでなく、カタカナが入れられているからです。カタカナが入ることによって、文章に変化やリズムが生まれ、読みやすくなるのです。このブログも、カタカナを意識しながら書いています。カタカナについて、ちょっと考えてみましょう。

カタカナは外来語を表記するときに使う。小学校で、そのように教わったと思いますが、次のようなものは、どうでしょう。

「ツナミ」「モッタイナイ」「スシ」……。「津波」、「もったいない」、「寿司」……日本語なのに、カタカナ? これは海外で広く使われている日本語なのです。トヨタの「カイゼン」や「カワイイ」もそうです。外来語ではなく、外出語とでもいうのでしょうか。

日本語をカタカナで書けば、外国人が言っているように受け取られるのです。

ところで、日本人が語った言葉をカタカナで表記したら、どうでしょうか。「先生」を「センセイ」とか、「賛成」を「サンセイ」あるいは「サンセー」と言ったら……。「ワカンナイ」も、かわいい女性が言えば、おどけたように聞こえますが、どこかばかにされているような感じを受けませんか。

カタカナには、皮肉、からかい、ユーモアのニュアンスを伝えたり、意味合いを軽くする働きもあるのです。カタカナにすることで、意図しないことを伝えてしまう場合もありますので、その点は注意が必要です。  

(徳)

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