「趣味はなんですか?」
自己紹介の場面でこう聞かれるたび、私はいつも言葉に詰まっていました。「周りのみんなには素敵な趣味があるのに、私には何もない……」と、どこか後ろめたい気持ちを抱えていたのです。
当時の私は、日々の歩みに追われて、「趣味を楽しむ時間なんて無駄じゃないか」とさえ思っていました。
趣味に対してそんな少し固い考えを持っていた私ですが、ある日、その価値観が大きく揺さぶられる出来事がありました。それは、私の約婚式の日。式の中で教会長がこう語られたのです。
「夫婦において大切なことは、趣味生活を共にすることです」
その言葉を聞いたとき、ハッとしました。「趣味って、生きていく上で実はとても大切なことなのかもしれない」――そう思い、み言を調べてみると天一国経典『天聖経』にこのようなみ言を見つけました。
「趣味生活をしなければなりません。神様が創造した時、無理やり造ったのではありません。喜びを感じるように造ったというのです。創造の神様の立場を、私たちは再び感じなければなりません」(天一国経典『天聖経』第六篇 第四章 第一節12)
真の父母様も多忙な日々の中で趣味を大切にされていたことを知り、「私も何か始めてみよう! 趣味を通して新しい発見や喜びがあるかもしれない」と、一気に心が弾みました。
それからというもの、編み物、読書、アクセサリー作り、スポーツ……と、思い付く限りのことに挑戦してみたのです。
……が、悲しいかな、どれもまったく長続きしませんでした。
「もっと簡単に、短時間でできるものはないかなぁ」と半ば諦めかけていた、そんなある日のことです。
実家に帰った際、一冊の「書写」の冊子を偶然見つけました。
わが家にそんな本があったことすら知らなかったのですが、パラパラとページをめくってみると、お母様のみ言と心温まる解説が載っていて、深く胸に響いたのです。

「ちょっと試してみようかな」
さっそく筆ペンを1本買って帰り、短いみ言を紙に書き写してみました。
すると、どうでしょう。
墨を走らせるうちに、ザワザワしていた心がすーっと落ち着き、み言が胸の奥深くに刻まれていくのを感じました。体全体がふわっと温かくなるような、不思議で心地よい感覚です。
「これだ……!」と、私は一瞬で夢中になりました。
それ以来、1日わずか5分の「書写」が私の日課になりました。無理なくできて、心が整う。これこそが、趣味を通して感じる「喜び」なんだと実感しています。
試しに、最初はあまり乗り気でなかった夫を誘ってみたところ、今では「これはいいね! み言は読むだけより、書くほうが心に入るね」とすっかり気に入って、一緒に楽しんでいます。

趣味があると、忙しい毎日の中に「小さな楽しみ」と「心のゆとり」が生まれます。これからも夫婦でこの大切な時間を温めていきたいです。




