光言社 編集者ブログ

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2025年08月28日

幼子はどこまで考えるのだろう

私には2歳の息子がいます。
まだまだ心も体も幼いですが、時々思いもよらない発想をして驚かせてくれます。

今回は、そんな彼がまだ離乳食を食べていた1歳頃のエピソードです。

ある日、離乳食で軟飯(なんはん)を出しました。
普通のご飯よりも水を多めに加えて作るのですが、冷めるととてもネバつきます。

その日、息子はスプーンを使って食べていましたが、何かの拍子に反対の手が器に入り、軟飯が手についてしまいました。
ティースプーン1杯分くらいの量です。

手に何かがついているのは幼児でも気になるようで、彼は食事の手を止め、自分の手についた軟飯をじっと見つめました。

この後どうするかなと思って静観していたのですが、結局、息子は手についた軟飯はそのままに、スプーンを器に伸ばし、次の軟飯をすくったのでした。

そして、なんとそれを手についた軟飯に当て始めたのです。

「手についてるのが楽しいのかな? 付け足して遊んでいるのかな?」
と思っていると、今度はスプーンを遠ざけます。

そうしてみると、手についていた軟飯が取れたのです。
なんとスプーンの軟飯につられて、手についたほうの軟飯が取れたわけです。

手についた軟飯が取れたのを確認すると、息子は食事を再開しました。

私は驚きました。
そしてようやく、彼が付け足して遊ぶためではなく、手についた軟飯を取るために軟飯をすくったのだと気づいたのです。

「いや、直接スプーンで落とせば早いじゃん」
とも思いましたが、そこは生後約1年の経験値。
まだそういった方法をすぐには思いつけなかったのでしょう。

それに、手についた軟飯を落とすほどには、スプーンに慣れていなかったのだと思います。

そのうえできっと、手についた軟飯を取るために精一杯考えたのでしょう。
軟飯はくっつく。手はくっつかない。なら軟飯に軟飯を当てたら、手よりも軟飯にくっつくのでは?

正直、そこまで深く考えたかは分かりませんが、手ではなく他のものにくっつけようとして取った行動だったんだろうなと思います。

私では思いつかない発想に、思わず「すごいじゃん!」とほめていました。

幼い子供にも考える力はあり、幼いなりに分析して、解決策を導き出すことができるのだと教えられた出来事でした。

そして、こんな自由な発想ができる子供の考える力を、大人の都合で抑えつけることがないように気をつけねばと強く思った出来事でもありました。

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