光言社 編集者ブログ

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2024年09月26日

陸上自衛隊朝霞駐屯地で、旧軍の英霊に会う

 

 先日私は、陸上自衛隊朝霞駐屯地内にある、陸自広報センター「りっくんランド」を、自治会の役員たちと一緒に観光バスで訪れました。2002年にできた、比較的新しい施設です。

 

 

 埼玉県朝霞市内にある同センターの館内や隣接する広場には、制式採用当時、世界が驚愕した「16式機動戦闘車」や、米国から導入した「AH-1Sアパッチ」ヘリコプター、歴代の戦車などが展示されており、それらを見学することができました。

 

16式機動戦闘車 陸自の戦闘車輌

 

 また、パラシュートが収められた背囊(はいのう)や防弾チョッキの実物があり、重さを体感できました。射撃やフライトのシミュレーターには、見学者による行列ができていました。気がつくと館内や広場には、行楽気分の見学者があふれていました。

 そんな館内の雰囲気に違和感を感じ始めた頃、施設から広場に続く出入り口付近に設置されていた小さな案内版に目が止まりました。それは「振武臺(しんぶだい)記念館」の場所を記している案内板でした。少し離れた場所にあるようでしたが、気になったため行ってみることにしました。

 その記念館は、林に囲まれた静かな環境にありました。館内では終戦までこの地にあった旧陸軍予科士官学校の歴史を物語る資料が展示されていました。

 心理学や地理、世界史などの幅広い教養と、原動機や救急措置など戦地で役立つ課程の教科書の実物や、生徒の机、当時の予科士官学校を再現したジオラマ模型などで彼らの学びを知りました。また旧陸軍特攻隊隊員の、家族宛ての最期の手紙を読み涙しました。

 

振武臺記念館の玄関

 

 これまで鹿児島県の「知覧特攻平和会館」や、沖縄県の「ひめゆりの塔」「摩文仁の丘」「平和祈念公園」を訪れたことがあります。しかし、埼玉県にも関連施設があることは知りませんでした。思いがけずこの場所で特攻隊隊員の生前の直筆文書に出合い、胸に迫るものがありました。

 せめて彼らに軍歌を捧げようとしたのですが、スマホで歌詞を調べ、がく然としてしまいました。私の知っている軍歌は、旧海軍や学徒出陣をテーマにしたものしかなかったのです。しかたなく「次に会うときまでには、なるべく旧陸軍と縁のある軍歌を勉強しておきます」と言い訳をして、彼らと別れました。

 彼らとの出会いの余韻に浸りながら退出したため、建物の外観を撮影することなどすっかり失念してしまい、後悔しました。

 次に川越市に移動して、団体向けの食堂で昼食を済ませました。さらに川越一番街商店街に移動し、「時の鐘」や創業文久元年のだんご屋「田中屋」、菓子屋横丁などを見学しました。

 

時の鐘

 

 商店街では、外国人の車夫による人力車の営業もあり、古き良き日本の伝統の一端に触れることのできた一日でした。
(F)

 

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