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2014年05月15日

【文章教室18】 五感に訴えることで記憶に残る

ソチ・オリンピックの応援で、寝不足がちになっている方も多いのではないでしょうか。4年に1度の祭典ですから、多少の無理をしてでも、歴史的な一瞬を生中継で見たいものですね。

オリンピック放送で競技が始まる前や休憩時間などで、日本人選手を応援するメッセージが紹介されています。今はデジタル放送なので、視聴者の声も番組にすぐに反映されるので、とても便利です。視聴者が短文投稿のツイッターでどんどん書き込んでいます。

それを見ていて感じることがあります。画面の下のほうにサッと現れたあと、瞬時に消えていくツイッターは、ほとんど記憶に残らないということです。同じ大きさの、そして一色の文字が並んでいるだけでは、記憶に残り難いのです。

それに比べ、大きな文字で応援の言葉を書き込んだ「応援ファクス」は、とても強いインパクトがあります。手書きの選手の似顔絵やイラストが書き込んだものには、自然と目が行ってしまいます。大きな文字やイラストには応援したい気持ちがよく表れています。文字だけでは伝えられないものが、込められているのですね。

ところで、「マインド・マップ」をご存じでしょうか。イギリスのトニー・ブザンが提唱しているもので、これまでの上から下へ、左から下へといった直線的な記録法ではなく、中心から放射状に書いていく記録法です。人間の思考は放射状になっていると考えるところから考案されたものです。

これは単に、会議や講演などの情報を記録するだけでなく、アイデアを考えたり、マニュアルなどにも応用できるといいます。

トニー・ブザンは多くの色を使ったり、イラストや絵、記号などを多用することを提唱しています。そのほうが記憶に残りやすく、また、再現しやすいというのです。脳への刺激にもなるのです。

よく文章の書き方で、「五感に訴えるように書く」ことが強調されています。色や形、音、手触りや味など、読む人が感じられるように書くと、実感や共感が得られるのです。

オリンピックの選手への応援メッセージから、そんなことを感じました。

(徳)

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