光言社 編集者ブログ

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2018年11月21日

信仰を未来に伝えるということ

今年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコ世界文化遺産に登録されました。私が生まれ育った長崎県が脚光を浴びたのは大きな喜びでした。

長崎は、世界の宗教史上の奇跡とも言われる「信徒発見」の舞台です。
幕末、まだ禁教の中、長崎や神戸などの外国人居留地に教会堂が建設され、宣教師が常駐するようになりました。長崎の大浦天主堂もその一つです。
1865年3月のこと、献堂から1か月たった大浦天主堂を、子供を含む15人ほどの男女がひっそりと訪ねてきました。
彼らは神父(フランス人宣教師)にこうささやきます。
「ワレラノムネ、アナタトオナジ」
キリスト教を信仰しているということの告白です。

驚くべきことに、彼らが唱えるラテン語のオラショ(祈り)は、神父が聞いて意味が分かるほど正確だったそうです。しかも、祈りの言葉の意味や教理を尋ねると、子供たちですらちゃんと答えることができたというのです。厳しい禁教令と宣教師不在が250年続いたにもかかわらず、脈々と信仰が受け継がれていたのです。
このニュースは世界中のカトリック教会に伝わり、弾圧によって日本には信徒がいなくなったと考えていた人々に大きな衝撃を与えました。当時の教皇ピウス9世は感動のあまり涙したと伝えられています。

 

「信徒発見」の舞台となった大浦天主堂。正式名は日本二十六聖殉教者天守堂。
日本に現存するキリスト教建築物としては最古で、国宝に指定されている(長崎市)

今年7月1日に埼玉で行われた希望前進2万名大会で、一人の祝福三世が「祖父母から父母に受け継がれた孝情を未来に伝えていく」ことを堂々と宣言しました。そのスピーチに、真のお母様は涙を流しながら聴き入っておられたそうです。(『世界家庭』8月号P31)
真の父母様は、私たちが二世、三世に、そして永遠に信仰の伝統を継承させていくことを願っておられますが、そのためにも、「信徒発見」の奇跡は大いに研究する価値があるなと思いました。

5月に家族で長崎に帰省した折、「潜伏キリシタン」に思いをはせながら、平戸のカトリック教会を訪ねました。

国の重要文化財、カトリック田平教会。レンガ造りの趣ある建物で、聖母像が迎えてくれます。写真撮影は禁止でしたが、聖堂内のステンドグラスも見事でした。

 

モスグリーンの瀟洒(しょうしゃ)な尖塔(せんとう)が青空に映える平戸ザビエル記念教会。フランシスコ・ザビエルが3度、平戸を訪れたことを記念して、聖堂の脇にザビエル像が建てられています。

 

ザビエル記念教会から長い石段を下ったところに、お寺と教会の見える場所があります。仏教とキリスト教の文化が融合する美しい景観でした。

  

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