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2018年03月23日

ムーンワールド3月号 読みどころ紹介②
聖書のこころ(9)アブラハムの物語③

 

 

 「1年後に男の子が生まれる」とみ使いに告げられたアブラハムとサラ。翌年、本当に男の子が生まれました。2人は神様に言われたとおりその子にイサクという名をつけ、大切に育てました。

 イサクが少年になったある日のこと、神様はアブラハムに「あなたの大事なひとり子のイサクを連れてモリヤに行き、私が示す山でその子を燔祭として捧げなさい」と命じました。それは自分が殺されるよりつらいことでした。でもアブラハムは神様のご命令ならどんなことでも従おうと思ったのです。

 朝早くアブラハムはロバに薪を背負わせ、イサクと2人の召使と共に出発し、3日間歩きました。見上げると神様が言われた山はもう目の前でした。アブラハムは2人の召使をそこに待たせ、手に火とナイフを持って、薪を背負ったイサクと二人で山に登り始めました。途中、イサクは不思議に思い、「お父さん、薪と火はあるけれど、燔祭の小羊はどこにいますか」と聞きました。アブラハムは「神様が用意していてくださるだろう」と静かに言いました。

 神様が示す場所に着くと、アブラハムはそこに作った祭壇の上に薪を並べ、縛ったイサクをその上に載せました。「イサクを下さったのは神様です。その神様が今度はイサクを供えよとおっしゃるのなら、愛する我が子を捧げましょう」。イサクもまた父の思いと全く同じでした。「すべて神様の願うとおりになりますように」と心で祈る父と子。アブラハムがイサクを殺そうとしたその瞬間、「アブラハム! アブラハム!」と天から呼ぶ声がしました。「その子に手をかけてはならない! 大事なイサクさえ私に捧げようとしたあなたが神のために生きる人だということが私にはよく分かった!」と言って止めたのです。この時アブラハムが目を上げると藪に角を引っ掛けた雄羊がいました。そこでアブラハムはイサクと一緒にこの羊を神様に捧げました。 

 神様はアブラハムをもう一度祝福して言いました。「私は誓う。あなたがあなたのひとり子をも惜しまなかったので、私は大いにあなたを祝福する。あなたの子孫をたくさん増やし、あなたを大いなる国民の父としよう。あなたによって全世界の人々が祝福されるだろう」。

 

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