近年、おむつが取れる年齢が上がってきています。光の子園では今年4月の時点で、年少組の園児(3~4歳)10人が、日中におむつをしていました。
おむつがはずれると、子どもの喜怒哀楽がはっきり表れるようになり、成長が早まる傾向があります。子どもの中で、「もう、赤ちゃんじゃないぞ」という誇らしい感覚が芽生えるからかもしれません。そこで、年少組を担当する3人の先生を中心にスタッフで状況を共有し、よく祈ったうえで、思い切って父母の皆さんに電話をかけ、おむつはずしへの協力を仰いだのです。
電話で話してみると、子どもの排泄時間やその間隔を把握していないお母さんがたくさんいました。紙おむつは濡れても不快感がなく、子どもから親に「おしっこをした」と伝えることがないからです。
あるお母さんは、遊びに夢中になっているお子さんに対して「うちの娘は『おしっこをした』と伝えるのが面倒くさいんですかね」と言いました。私が「娘ではなく、あなたがおむつの交換を面倒くさがっているんですよ」と指摘すると、「あらー」と電話の向こうで笑っていました。
パンツに替えたら「おもらし」が多くなり、怒ってばかりだったという親や、「おもらしをするぐらいなら、おむつに頼ったほうがよい」と割り切っている親もいました。
家庭ごとにようすを聞いたあと、「子どもの話を聞く」「子どもの排泄時間を知る」「何があっても絶対にパンツで登園させる」「おもらしをしても怒らない」「不快感を覚えさせ、トイレでの排泄を促す」などの親の心構えを伝えました。
お母さん方は真摯に受け止め、「分かりました」「そのとおりにします」と決意表明をするかのように応えてくれました。祝福家庭の素晴らしさは、決断したら即実行することです。次の日から全員パンツで登園しました。おむつはずしに限らず、どの親御さんも日々、子育てに悩み、天に祈り求めながら、あの手この手を尽くして過ごしています。
子育ては決してきれいごとではありません。親子が、時には感動を共有し、時には衝突しながら、喜怒哀楽をさらけだして共に成長していくものです。
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