2025.09.09 17:00

シリーズ・「宗教」を読み解く 380
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る母なる者の使命⑫
復活したイエスと、母マリア
ナビゲーター:石丸 志信
イエスが安息日を前にして十字架上で息を引き取った後、アリマタヤのヨセフがイエスの遺体を引き取り、早々に墓に葬った。
安息日が明けた週の初めの日に、マグダラのマリアとイエスに従った女たちが遺体に香油を塗るために墓に詣でると、み使いが彼女らにこう告げた。
「あの方は復活なさって、ここにはおられない」(マルコによる福音書 第16章6節、新共同訳)
女たちは恐れるあまり、にわかには信じることができなかった。弟子たちもすぐには信じようとしなかった。
その後、復活したイエスは女たちの所に現れ、続いて弟子たちにも現れ、弟子たちの不信仰をとがめ、悔い改めに導き、「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣(の)べ伝えなさい」(同 第16章15節、新共同訳)と、新たな使命を託して天に上げられていく。

 イエスの復活の出来事の証言者の中には、まだ母マリアは登場していない。
 ところが、復活から40日が過ぎ、弟子たちが集って祈る中に母マリアの姿が現れてくる。
福音史家ルカはこう証言する。
「使徒たちは、『オリーブ畑』と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。彼らは都に入ると、泊まっていた家の上の部屋に上がった。それは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、フィリポ、トマス、バルトロマイ、マタイ、アルファイの子ヤコブ、熱心党のシモン、ヤコブの子ユダであった。彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(使徒言行録 第1章12~14節、新共同訳)
イエスを裏切った弟子たちが集まり、3年間の公生涯を歩むイエスを自らのことをおいて支え続けたとは言い難い母マリアもその一団の中にいる。この間に母の内面にどのような変化があったのか。
真の父母である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、次のように語っている。
「イエス様が亡くなったのちに復活し、40日間ばらばらになった弟子たちを再び集めようとしたのは、後継者の基盤を備えるためでした。師を捨てていった彼らを見捨てて当然でしたが、イエス様はその反対のことをされたのです。世の中では裏切り合うのが普通ですが、イエス様は決してそのようなことはできませんでした。ですから真(まこと)なのです。イエス様が背いた彼らと向き合うとき、昔愛していたそれ以上の心で『ヨハネの子シモンよ、あなたはこの人たちが愛する以上に、わたしを愛するか』と三度も尋ね、愛すると誓いを受けたのも真だったからです」(『文鮮明先生のみ言に学ぶ統一原理【後編】』光言社、224ページ』
 誰一人イエスを裏切らなかった弟子はいなかった。この世の中で誰一人イエスの友となるものはいなかった。
 そんな彼らを赦(ゆる)して、裏切らなかった弟子の立場を取り戻していったのが復活したイエスだった。
 母マリアもイエスによって赦され、弟子たちと共に祈りの一群に加わったのだろう。
★おすすめ関連動画★
ザ・インタビュー 第22回
【石丸志信・世界平和宗教連合会長に聞く(その1)「超宗教運動の30年を振り返って」】
ザ・インタビュー 第23回
【石丸志信・世界平和宗教連合会長に聞く(その2)「宗教者の対話を促進する『超宗教フォーラム』」】
ザ・インタビュー 第24回
【石丸志信・世界平和宗教連合会長に聞く(その3)「宗教者の役割と祈りの重要性」】
ザ・インタビュー 第25回
【石丸志信・世界平和宗教連合会長に聞く(その4)「超宗教平和運動への召命」】
---
 U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です!
 無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードはコチラから