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シリーズ・「宗教」を読み解く 379
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る母なる者の使命⑪
十字架の傍らにたたずむ母マリア

ナビゲーター:石丸 志信

 真の父母である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、イエスの公生涯を見つめながら、母マリアの使命について次のような洞察を加えている。

 「マリヤは、イエス様の願いと一つとならなければなりませんでした。…ここでマリヤは、イエス様の心情を知り、イエス様のみ旨に従って、千万の死の道を歩んでも、天の王子であるその息子が行動できるように、家庭、社会に、万全の準備をしなければならないのです」(『イエス様の生涯と愛』光言社、8586ページ)

 家を出て公生涯を出発したイエスの歩みは惨めなものだった。
 荒野で悔い改めを叫び、天国の到来が近いことを告げ、奇跡の業をなしながら、人々を神のもとに立ち返らせようとしたにもかかわらず、彼を理解する者は多くなかった。

 ユダヤ教の指導者たちは彼を怪しみ、罵(ののし)り、神を冒涜(ぼうとく)する者として裁こうとしていた。
 その傍らに、イエスの事情を知り、心情を知って、命懸けで彼を守ろうとする母の姿はなかった。

▲十字架の傍らの悲しみの聖母

 イエスの短い公生涯は、反対者の策謀によって捕えられ鞭(むち)打たれ、十字架上で終焉(しゅうえん)を迎える。
 神の独り子・イエスが血を滴らせ息絶えるその傍らに、母はいたのか。

 「また、婦人たちも遠くから見守っていた。その中には、マグダラのマリア、小ヤコブとヨセの母マリア、そしてサロメがいた。この婦人たちは、イエスがガリラヤにおられたとき、イエスに従って来て世話をしていた人々である。なおそのほかにも、イエスと共にエルサレムへ上って来た婦人たちが大勢いた」(マルコによる福音書 第154041節、新共同訳)

 マタイとマルコ福音書は、イエスに従った婦人たちのうち、数人の名前を挙げている。
 マリアという名の婦人も数人記されているが、母マリアの名はそこには記されていない。

 ルカ福音書も「ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた」(ルカによる福音者 第2349節、新共同訳)とだけある。
 大勢の婦人たちの中に母マリアがいたのかは定かでない。

 ところがヨハネ福音書だけは、「イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた」(ヨハネによる福音書 第1925節、新共同訳)と証言する。
 その時、イエスは十字架上から傍らにいた愛する弟子に語りかけ、遺(のこ)される母を託したと福音書は語る。

 この時、母マリアは十字架上のイエスをどのような思いで見ていたのだろうか。
 十字架にくぎ付けにされ、茨(いばら)の冠を被(かぶ)せられ、侮蔑の言葉を浴びながらつるされているわが子。息絶えた直後にローマ兵の槍(やり)に脇腹を刺し貫かれる光景を母は直視できたのだろうか。

 このかたは、ただ自分の腹を痛めた子であったのではない。聖霊によって身ごもり、神の子と呼ばれ、ダビデの玉座に上るかたではなかったのか。
 そのかたの最期のありさまに直面して、母マリアは耐えることができたのだろうか。



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