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シリーズ・「宗教」を読み解く 373
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る母なる者の使命⑤
エリザベトとマリア

ナビゲーター:石丸 志信

 「マタイによる福音書」の冒頭アブラハムからダビデまで14代、ダビデからバビロンへ移されるまで14代、バビロンへ移されてからキリストまで14代の計42代の系図が示されている。

 そこに記された名前をたどるとイスラエルの父祖からイエスにつながる歴史を築いてきた選民の一コマ一コマが思い起こされる。
 その中に、タマル、ラハブ、ルツ、バテシバの4人の女性が含まれている。そしてその系譜に連なるようにマリアが登場する。

 その上で、同福音書はイエス・キリストの誕生の次第を語り始める。
 ただ、婚約者ヨセフと婚姻関係を結ぶ前にマリアは「聖霊によって身ごもっていることが明らかになった」(マタイによる福音書 第118節、新共同訳)とだけ告げる。

 そしてヨセフに対して夢の啓示があり、み使いからマリアを受け入れ、生まれてくる子にイエスと名付けるように命ぜられた。
 ヨセフがそのお告げを受け入れ実行したので、無事にイエスが誕生したのだ。

 一方、ルカによる福音書では、事の経緯を祭司ザカリヤの受けたみ使いの知らせと妻エリザベト(エリザベツ)の懐妊の物語に続いて、ナザレのマリアにお告げがあったと記す。

 み使いは「あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい」(ルカによる福音書 第131節、新共同訳)と語った。

 そしてその子イエスがいかなる者であるかも教える。畏れかしこむマリアにみ使いは続ける。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない」(ルカによる福音書 第13537節、新共同訳)

 そこでマリアは「『わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。』そこで、天使は去って行った」(同 第138節、新共同訳)とこれを受諾した。
 その直後に彼女がとった行動はエリザベトを訪ねることだった。

 ナザレに住むマリアがユダの山里にいる親族を訪ねるにしても、その距離数十キロ、34日はかかったであろう。
 道中危険な道も通らなければならないのに、うら若き乙女は大急ぎでエリザベトのもとに駆けていく。

 神のみ使いからお告げを受けた二人の女性の出会いを、福音書は感動的に記している。互いに受けたお告げを共有し、神の計画が実現することを祈り合っている。

 その後のことは詳しくは書かれてないが、ザカリヤの家庭にしばらくとどまったマリアはヨハネ誕生の直前にナザレに戻ってしまう。
 その後、親しかった親族の姉妹が再び会って互いの子らを紹介し、共に育んだという話は一切出てこない。



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