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シリーズ・「宗教」を読み解く 372
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る母なる者の使命④
ラハブ、ルツ、バテシバ

ナビゲーター:石丸 志信

 「マタイによる福音書」の冒頭には、イスラエルの父祖アブラハムからダビデ王まで14代、ダビデ王からバビロン捕囚に至るまで14代、捕囚からイエス・キリストまで14代の系図が描かれている。

 系図は、父から息子へと連なるものだが、この中に4人の母の名が刻まれている。

 パレス(ぺレヅ)とザラ(ゼラ)の母タマル、ボアズの母ラハブ、オベデの母でダビデ王の曽祖母に当たるルツ、ソロモンを生んだウリヤの妻(バテシバ)。

 ラハブはヨシュア率いるイスラエルの民がエリコ城の偵察に送った斥候(せっこう)を匿(かくま)った宿屋の女主人で、エリコ城陥落後、イスラエルの民に保護され彼らと共に住んだ女性だ。

▲ラハブ

 ルツもまた異邦のモアブ人であった。モアブに住むユダヤ人エリメレクとナオミの息子に嫁いだ。
 夫が亡くなった後も姑(しゅうとめ)ナオミに仕え、彼女と共にベツレヘムに帰郷した。
 そこで遠縁のボアズと結ばれ、イスラエルの律法に従い、この民族の子孫存続に重要な役割を果たすことになった。

 ルツ記は士師時代の物語として語られるが、異邦人の女であってもイスラエルの律法に従うルツは称賛されている。

 3代後にイスラエルの王ダビデが生まれ、ダビデの血を受け継ぐソロモンがバテシバを通して生まれてくる。
 ウリヤの妻と記されているように、すでに既婚の身でありながら、ダビデに見初められてその子を身ごもることになる。

 ユダヤの律法から見れば不貞の汚名を着せられても仕方のないところ、ダビデの後継者ソロモンを生み、王の母の位置は揺るぐことがなかった。

 タマル、ラハブ、ルツ、バテシバ、これらの女性たちも、アブラハムからダビデ、ソロモンへとつながるイスラエル民族の母として記憶されてきた。
 それがさらに神の独り子イエスへと命脈をつなぎ、選民を通して人類救済の道が開かれたと福音史家は伝えている。

 この母の系列にイエスを身ごもったマリアが立っている。そこから「マタイによる福音書」はイエス・キリストの誕生の次第を語り始める。



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