真のお母様の人生 4
国の最高指導者の前でも優雅に堂々と振る舞われた

真のお母様の人生 4

お父様、子女様、統一家食口のために歩んでこられたお母様の人生

　『TODAY'S WORLD JAPAN（トゥデイズ・ワールド ジャパン）』に掲載された、鄭元周（チョン・ウォンヂュ）総裁秘書室長の証しを毎週月曜日配信（予定）でお届けします。

　真のお父様と最終一体をなし、天宙の母として立たれた真のお母様とはいかなるおかたであるのか。真のお父様が霊界から「あなたは神様が摂理のために私に下さった最愛の妻であったばかりでなく、最も誠実で身近な弟子だった」と語られた、そんなお母様のお姿の一端に触れることのできる証しです。
　この証しは2003年、真のお母様の還暦を祝って韓国で刊行された「韓鶴子（ハン・ハㇰチャ）総裁還暦記念文集」の第2巻に掲載されたものを翻訳し、整理したものです。（編集部）

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【モスクワ】
国の最高指導者の前でも優雅に堂々と振る舞われた

　お父様は1976年、ヤンキースタジアム大会とワシントン大会を終えられ、次の大会は「Must go, Must go! すなわちMoscow（モスクワ）である」と強調されました。

　1990年4月、モスクワ初入城の時が迫ってきました。当時は、モスクワに行くこと自体、想像もできなかった時代です。

　お母様は常に、全てのことにおいて徹底的に準備と計画をなさる、緻密なかたです。そのときも、小さなことにも一つ一つ抜かりなく配慮されました。摂理的に重要な大会である分、贈り物一つ一つにも細心の注意を払われました。

　ところが、早めに空港に向かい、手続きを終えていよいよ出発という時になって、準備した贈り物が到着していないことが分かったのです。お母様は私に「あなたが持ってこなかったの？」とお尋ねになりました。瞬間、私は非常に動転しました。ただただ申し訳ない思いで飛行機に乗り込みました。幸いにも、次の飛行機で、朴重眩（パㇰ・チュンヒョン）氏、朴相權（パㇰ・サングォン）氏、金亨泰（キㇺ・ヒョンテ）氏が、イーストガーデンに保管してあった贈り物を持ってきてくれました。しかも知恵深く、「このたび、文鮮明（ムン・ソンミョン）総裁がソ連のかたがたに差し上げるプレゼントです」と説明して、無事に税関を通ることができたのです。その贈り物が到着するまでの不安と緊張は、到底言葉に表すことはできません。

　モスクワに到着してからも、緊張はずっと続きました。出される食事は肉だけで、野菜はありませんでした。その肉も、とても召し上がれるようなものではありませんでした。結局、私がキッチンに入って、準備してきた米とコチュジャンを利用し、1、2品ずつ料理を作ってお出ししました。当時、私はちょうど、つわりのひどい時でしたが、摂理を前にして最善を尽くされる父母様の精誠に加え、共産圏で一生懸命活動する食口（シック／家庭連合の教会員）たちを目にし、より一層、気を引き締めなければなりませんでした。

　モスクワでもお母様は、天宙の母として威風堂々たるお姿でいらっしゃいました。リトルエンジェルス公演の観覧に訪れたライサ女史（ゴルバチョフ大統領夫人）と握手をして談笑されるお姿はとても優雅でした。

　そこでお母様は共産圏の食口に初めて対されたのですが、自由もなく困難な中を生きてきた彼らの過去の日々に心を痛めながら、心から温かく接してくださったのです。

　1993年、お母様が世界巡回でモスクワに行かれたときのことです。ウクライナなど遠い所から食口たちがみ言を聞きに来ました。彼らがモスクワに来るためにはビザが必要であり、何日も汽車に乗ってこなければならないのです。ビザ取得のための経費と交通費を合わせると、1年分ほどの収入に匹敵する金額とのことでした。こうして食口たちが、はるばるお母様にお目にかかるために訪ねてきたにもかかわらず、ソ連当局はお母様が食口たちに会われることを許可しなかったのです。

　食口たちは別れ難い思いで、お母様がいらっしゃるホテルの最上階をいつまでも見上げていました。お母様はベランダに出られて、そんな食口たちを、目を赤くしながら黙って見詰めていらっしゃいました。そんなお母様のお姿を拝見しながら、申し訳ない思いを禁ずることができませんでした。

（続く）

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　次回は、「お父様のご親戚に寄り添い優しく温かく心を配られた」をお届けします。