夫婦愛を育む 98
配偶者と親、優先するのは?

ナビゲーター:橘 幸世

 年末年始の休みが終わり、通常の日々に戻りました。
 比較的曜日に恵まれ長めの休暇となった今回は、わが家でも子供たちが例年より長く過ごしていきました。
 実家ならではの物を食べさせようと奮闘した私は、子供たちが発った後は気が抜けた感があり、しばしゆったり、そしてギアチェンジです。

 帰省といえば、昨今は夫の実家に帰省したくない妻たちがメディアで取り上げられています。
 婦人向け講座で、夫の意向を尊重することの大切さをお話ししていますが、妻としては自分の思いにも寄り添ってほしいと願うのはごく自然のことでしょう。お互いの思いを分かり合って受け止め合って最善の形を見つけていく中で、信頼関係は育まれると思います。

 夫婦関係が家族の要ですので、夫婦の絆を第一に考える、その上で夫婦が一つとなって子供を育て、夫婦が一つとなって双方の両親に親孝行する、これが同居別居にかかわらず三世代の望ましい在り方です。

 そう話してきた私自身、結婚したわが子が、配偶者の気持ちを尊重するのを時に目の当たりにします。親としての寂しさを感じながらも、自立した子供の姿を、そして子が正しい判断をしている事実を、複雑な思いが入り混じりながらもよしと受け止めています。
 親としては、受け止めて、一歩引いて、信じて干渉せず、見守り、幸を祈る。年を重ねるに応じて、講座でお伝えしてきたことを自ら体験し確認しています。

 こんなことを思っていると、ふと以前に見た韓国ドラマのワンシーンを思い出しました。
 ヒロインが王子と愛し合うようになり、王妃に結婚の許しを願う場面で、王妃がヒロインに尋ねます。

 「私と王子が同時に溺れていたら、そなたはどちらを助けるか?」

 孝を是とする韓国文化では、親たる王妃と答えるのが正しいのかもしれません。が、ヒロインは「王子様をお助けします」と答えます。一瞬場に緊張が走りますが、冷静にその理由を尋ねる王妃にヒロインは、「それがおそらく親である王妃様の願われることでしょうから」と答えるのでした。

 帰省を巡る議論においても、義理の親を喜ばせるために(喜ばせたくて)、配偶者を喜ばせるために(喜ばせたくて)、という気持ちになれれば、帰省に対しても前向きになれるでしょう(義理の親が好きで会いたくて、というケースもありますね)。

 まだそこまでの気持ちになれない場合、まずは夫婦関係における愛と喜びを増すよう努めることを優先しましょう。


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