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青少年事情と教育を考える 321
子供の自殺を防ぐ保護因子

ナビゲーター:中田 孝誠

 小中高生の自殺は昨年(2025年)、538人と過去最多になりました。
 さらに、今年1月から5月にかけては、昨年の同時期を上回る人数になっていることが分かりました。

 こども家庭庁は、「こども・若者 自殺防止総力戦略」を立ち上げ、対策の一つとして子供や若者が不安や悩みを相談できる窓口を紹介したカードやステッカーを作成し、配布を始めました。

 また、自殺の危険性が高い子供の早期把握のため、1人1台端末を活用した「心の健康観察」の推進、電話・SNSを活用した相談体制の整備などに取り組むことをうたっています。

 さらに、医療機関や学校と自治体が情報共有を促進しながら、都道府県や市町村レベルで関係機関が連携した協議会をつくり、子供の命を守る体制を確立して機能させるとしています。

 もちろん、こうした対策は重要です。
 一方で、子供たちがネットを通して相談した事例を分析すると、保護因子を持っている子供は自殺念慮(死にたいという思い)が深刻化しにくく、リスクが高まったとしても相談をして気持ちにポジティブな変化があることが分かりました(特定非営利活動法人OVA『こどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究』、こども家庭庁補助事業として実施)。

 ここで言う保護因子とは、「家族との円滑なコミュニケーション」「学友・教師との信頼関係」「援助希求力」「将来への希望・人生の有意味感」などです。

 そのため、この調査報告では、「家族・学校・地域・個人における保護因子を可視化する・獲得する・増やすアプローチを推進する」よう提言しています。