2026.03.17 17:00

シリーズ・「宗教」を読み解く 404
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る選民の共同体㉓
12使徒を主軸とした共同体
ナビゲーター:石丸 志信
洗礼ヨハネがイエスを指して「見よ、神の小羊だ」(ヨハネによる福音書 第1章36節、 新共同訳)と証しした時、興味を抱いてイエスについていった弟子がいた。名をアンデレといった。彼は、兄弟のシモンに「メシヤに出会った」と告げて、イエスのもとに連れて行った。イエスは、シモンを見て、ケファ(岩=ペトロ)と呼んだ。この兄弟がイエスの最初の弟子となった。
翌日、ベトサイダ出身のフィリポがイエスと出会って弟子となった。この男は、友人のナタナエルにこう話した。
「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った。それはナザレの人で、ヨセフの子イエスだ」(ヨハネによる福音書 第1章45節、新共同訳)
ナザレからメシヤが登場するとはにわかに信じられなかったナタナエルであったが、友人の言葉を確かめるためイエスに会いに行った。
イエスは彼を「まことのイスラエル人、偽りなき人」と呼んだ。イエスはすでに彼のことを知っていたのだ。驚きを隠せないナタナエルは思わずこう言った。
「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です」(ヨハネによる福音書 第1章49節、新共同訳)
こうしてイエスと出会った弟子たちのうち12人が選ばれて「使徒」と呼ばれた。
イエスは使徒たちを特別に愛され訓練している。短い公生涯はそのために費やされたといっても過言ではない。
イエスが病人たちを癒やし、悪霊に取りつかれた者たちを解放し、野や湖畔で神のみ言を語り、パンを与える姿をことごとく弟子たちに見せたのは何のためだったのだろうか。
最後の晩餐(ばんさん)の時、イエスが弟子たちに語った遺言の中にこそ彼らに悟らせたかったことが述べられている。
「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネによる福音書 第13章34節、新共同訳)
互いに愛し合う兄弟の姿に、人々はイエスの真の姿を見るというのである。
また、イエスは言う。
「わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい」(ヨハネによる福音書 第14章10~11節、新共同訳)
かつて約束の地に定着したイスラエルの12部族が、苦難を経てようやく一つとなった時に、神は一人の王を立てて一国をなし、「神の民」を統治するようになった。
同じくイエスは、12部族を象徴する12使徒が一つとなって神の独り子を「王の王」として迎える準備をさせていたように思える。
彼ら12使徒が隅の親石となって、苦難の歴史を通して築かれた選民共同体を収拾し、一つにして、世界人類の救済へと歩を進めようとしたのではなかっただろうか。
その時、イエスと同じ方向を見つめ同じ思いで従った弟子がいただろうか。
イエスによって新たにされる共同体の誕生は、残念ながら道半ばにして、弟子たちの裏切りによって頓挫してしまった。
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