2025.05.29 22:00
スマホで立ち読み Vol.39
『今輝ける真の愛 蘇る神のみ言』2
統一思想研究院・著
スマホで立ち読み第39弾、『今輝ける真の愛 蘇る神のみ言』を毎週木曜日(予定)にお届けします。
崩壊の一途をたどる現代社会の倫理観。本書は、純潔の重要性や神の創造目的、家庭観について解き、正しい倫理観とは何かを考える一冊です。
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一 人間に与えられた神の言
人間社会における倫理、道徳の本質をなすものは、全て神から人間に与えられた戒めの言(ことば)に由来しています。ところが今日、全世界的に、倫理、道徳が大崩壊の様相を呈しています。果たして神の言は無に帰してしまったのでしょうか。
(一)人間堕落に関する聖典、神話の物語
世界の宗教や神話において、歴史の初めに楽園という理想がありましたが、人間始祖の堕落によって、楽園は実現されず、失われてしまった(失楽園)という物語が説かれています。その代表的なものを紹介します。
(1)ユダヤ・キリスト教の失楽園の物語
『聖書』の創世記に書かれている失楽園物語は次のようです。
エデンの園の中央に生命(いのち)の木と善悪を知る木がありました。神はアダムとエバ(イヴとも言いますが、本論では、エバと記します)に善悪を知る木の実を食べたら死ぬと警告されました。そのとき、蛇がエバにささやきました。「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを神は知っておられるのです」と。エバはその実を食べ、アダムにも食べさせました。それを知った神は、彼らをエデンの園から追い出されたのです。
(2)イスラム教の失楽園の物語
『コーラン』には、次のように書かれています。
「アダムよ、おまえと妻とはこの楽園に住み、ほしいだけ食べよ。しかし、けっしてこの木に近づいてはいけない。さもないと、おまえたちは不義を犯すことになろう」
ところがサタンは二人にささやいて、隠されていた彼らの隠し所をあらわに示そうとした。彼は言った、「主がおまえたちにこの木を禁じたのは、おまえたちが天使になり、あるいは不死身となるのを恐れたからにほかならない」……こうして、彼は二人を惑わしてしまった。二人がその木を味わったとき、その隠し所はあらわになったので、楽園の木の葉でおおい始めた。主は彼らに呼びかけたもうた、「わしはおまえたちにあの木を禁じ、『サタンはおまえたちの公然の敵だ』と言っておいたではないか」(「高壁の章」7・19~22)
イスラム教の、トルコ・トプカプ宮殿博物館には、アダムとエバの楽園追放の絵があります。『コーラン』に書かれていることも、ユダヤ・キリスト教の「失楽園」の物語とほとんど同じであることが分かります。
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次回は、「ギリシア神話」をお届けします。