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ダーウィニズムを超えて 112

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第九章 科学時代の新しい神観

 古来より、神学や哲学において、神の実在と神の属性に関して、あるいは宇宙と万物の根源は何かということが論じられてきた。それは自然観、人間観、社会観など、われわれの現実生活の指針に対して、根底から影響を及ぼす根本的な問題であった。しかし、神学においても、哲学においても、そのような問いに対して、いまだに明確な解答を与えていない。それはイギリスの歴史家ポール・ジョンソン(Paul Johnson)の次のような言葉に、いみじくも表現されている。「図書館にこもって一生を神学の研究に費やしても、その結果わかるのは、人々がこれまで神について何を考えてきたかということだけである(*1)」。しかし自然と人間と社会の問題を解決するためには、この根本的な問題を何としても正しく解決しなければならないのである。

(一)科学時代における神の再発見

 神は存在するか否かということは人生観を根本的に左右する問題であった。したがって有神論と無神論の闘いは、互いに心と魂を懸けて争われた歴史的な論争であった。そして19世紀に至り、科学を旗印にした強力な無神論、唯物論が登場することによって、伝統的な宗教の神観は大きく揺らぎ、崩壊寸前のような状況に追い込まれてしまった。しかしながら科学時代の今日、新しい科学的な神観が登場することによって、無神論を超えて、われわれは再び神を発見しようとしているのである。


*1 ポール・ジョンソン、高橋照子訳『神の探求』共同通信社、1997年、61

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 次回は、「従来の神の存在証明」をお届けします。


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