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ダーウィニズムを超えて 108

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第八章 宇宙の統一原理に向けて

(五)人間原理、万物理論、新しい統一原理

5)純粋数学に基づく万物理論
 ミチオ・カクは、ひも理論の根底にひそむ物理学的原理が発見されることを期待すると次のように言う。

 この基本的な問題を解決するには、難解な数学だけでなく、理論の根底にひそむ物理学的原理がわからなければならない。……理論のさまざまな面を、一個の網羅的・体系的な枠組み——個々の構成要素の存在を必然的なものにする枠組み——に取り込む総合的な原理はまだ見つかっていない。この原理が発見されれば、ひも理論の発展において、きわめて重要な瞬間となるだろう。理論のなかにひそむからくりが、思いがけなくはっきりと現れる可能性が高いからだ(*65)。

 彼は、ひも理論が実験でなく純粋数学のみによって検証できると考えている。そしてアインシュタインの信念を次のように引用している。

 アインシュタインもこう言っている。「私は……自然現象を理解する鍵となる概念や法則を、純粋に数学的な解釈だけで発見できると確信している。経験によって適切な数学的概念が示唆されることはあるかもしれないが、数学的概念が経験から導き出せることは絶対にない。……したがって、ある意味で、私は古代の人々が夢見たように、思考のみで現実が把握できると信じている」(*66)。


*65 ミチオ・カク、斉藤隆央訳『パラレルワールド』NHK出版、2006年、288頁。
*66 同上、339

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 次回は、「万物理論を目指す困難」をお届けします。


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