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青少年事情と教育を考える 261
少年非行で、いじめと校内暴力事件が急増

ナビゲーター:中田 孝誠

 前回、子供たちの性被害について、警察庁の最新の統計を紹介しました(警察庁「令和5年少年非行及び子供の性被害の状況」)。

 今回は、少年非行に関する最近の傾向を、同じ警察庁の統計から取り上げます。
 それは「大麻と麻薬乱用の急増」と「校内暴力事件といじめ事件の増加」の二点です。

 1点目の大麻乱用については本欄でも度々取り上げていますが、ここ数年、若い世代への浸透が問題になっています。
 昨年検挙された少年少女は1222人で、前年から310人、34%も増加しました。この人数は5年前のほぼ3倍です。

 しかも昨年は、コカインやヘロイン、MDMA(合成麻薬)などの麻薬乱用も急増しています。過去10年は多くても60人程度でしたが、昨年は一気に113人に上りました。

 そして少年非行の二つ目の傾向としてあげたいのが、「校内暴力事件」「いじめ事件」の増加です。
 昨年の校内暴力事件は784件で、前年から191件、32%も増えました。検挙・補導されたのも852人(前年比216人、34%増)です。
 内訳は、小学生が267人(同47人増)、中学生が461人(同109人増)、高校生が124人(同43人増)でした。

 また、いじめがきっかけになった事件は292件(同116件増)で、過去10年でも最多です。
 検挙・補導は404人(同181人増)で、このうち小学生が125人(同48人増)、中学生が189人(同103人増)、高校生が90人(同30人増)でした。

 校内暴力事件は、2014年(1320件)以降、減少傾向にありました。いじめ事件も、2014年(265件)からやや減少傾向にありましたが、一気に増加したわけです。

 増加の要因について、警察庁の報告書は特に言及していません。ただ、昨年10月に文部科学省が公表した調査では、コロナ禍による一斉休校などでいったんは減少したものが増加に転じたと分析しています。

 いじめについては、SNSなどインターネット上のいじめを積極的に認知したことで増加したという見方も示しています。
 逆に言えば、増加の傾向が今後も続く可能性があることを示唆しています。