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心情開拓
心霊を育てる生活原則(139)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

10 あなたが成長するために

▲李耀翰先生

(質問11)過去の自分の犯してきた罪を反省してみると、もう取り返しのつかないような気持ちに襲われてとても苦しみますが、どう心を整理すればよいのでしょうか

 過去の問題は忘れなさい。神も忘れようとするのです。

 今来た人は、放蕩息子のようにして、帰ってきたのです。財産がなくても問題ではありません。生きて帰ってきたことが最高だ! これからが問題です。今まで心配させて、これから無責任な立場に立ったら親を悲しませる人間になってしまうのです。親は、今までのことを忘れるのです。それが親です。

 また罪を犯した者は、罪ばかり考えているのです。罪ばかり考えるから自殺してしまうのです。まず、これからが問題であることを納得させることです。それによって自分の罪を発見したと、喜べばいいのです。自分は罪を犯して本当に恥ずかしいけれども、恥ずかしい立場に立ったから、これからは希望がある。希望ある立場に立ったと見るのがいいのです。光の前に自分の汚れを発見した。それを納得させて、安心させて、これからを重要視すれば、解決してしまうのです。

 それをまた、自分の問題とだけ思ってはいけないのです。全体がこのような精神をもっていると思って悲しむのです。その時、蕩減条件とか何とか考えないで、感謝して、「これは世間の罪だ、よーし」と思う、これくらいの自信をもった人なら、信仰でもって簡単に解決できるのです。積極的な信仰をもちなさい。

 「人が嫌なことを私に任せなさい、死んでもいいから私に苦しみを与えなさい。全人類が祝福を受けるならば、私を祭物としてください」と祈るのです。だからイサクを殺そうとしたのです。死のうとするものは生き、それを避けようと思う人は、かえって苦しみを繁殖させるのです。苦しみを喜んで受けようとする者は、苦しみがなくなってしまうのです。「死なんとする者は生き、生きんとする者は死なん」というこのみ言(ことば)は、積極的に死亡に対していく人で、死のほうが逃げてしまうのです。

 その時こそ、また「原理」を学ぶのです。何か葛藤した時に「原理」を学ぶのです。「原理」の勉強の仕方は、そこにあるのです。本ばかり読んで「原理」を学ぶのではありません。先生は、本ばかり読んでいる人を育てようとはしません。

 何でも実践させて、学ばされるのです。だから、修練会というものを何週間かやって、すぐ開拓に出発させる。そこに先生の教育の仕方があります。世間とぶつかって、その中で自分を再創造していくのです。

 過去のことよりも再創造、これからの道を真剣に考える必要が出てくるわけです。

(月刊『聖徒』19751月号〜4月号掲載)

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 次回は、「不信は自己肯定から」をお届けします。


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