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続・夫婦愛を育む 9
「ありがとう」だけで完結する

ナビゲーター:橘 幸世

 Blessed Lifeの人気エッセイスト、橘幸世さんによるエッセー「続・夫婦愛を育む」をお届けします

 ギプス生活の中、在宅ワークの合間に主人があれこれ世話をしてくれます。
 動きが限られているので、物一つ取るにもお願いすることが多く、その都度丁寧に(しおらしく)「ありがとう」と言っています。

 毎日同じ場面で同じ物を取ってもらったり運んでもらったりしますが、マンネリ化することなく、やはりその都度、心から「ありがとう」と口にしています。
 日にこんなにたくさん「ありがとう」と言うのは、人生初ではと気付きました。

 「弱きを助ける」の原稿を書いた後にこの事態。一時的とはいえ、助けられるばかりになってしまいました。
 今の自分にできるのは、多くを望まず(主人がタオルの区別を時々間違えても何も言わず)ただ感謝することだけです。ならばそこに思いを込めて。

 そんな中、ある事が私の心を悩ませていました。その心配を払拭すべく、スマホで確認しようとしましたがうまくいきません。
 「心配より信頼」「負の妄想はやめよう」「神様は悪いようにはされない」「“大丈夫だよ”という主人を信じればいいんだ」など、自分に言い聞かせ、祈りますが、やはり行ったり来たりの心です(あまりする事がないので余計にそうなりがちです)。

 結局主人が忙しい中、主人ならではの知恵で上手に確認してくれ、私の心配は払拭されました。
 どれほどありがたかったことでしょう!
 「お父さん、すご~い!」「賢~い!」「ありがと~!」
 大賛辞です。
 その後も何度も何度もお礼を言いました。感謝の思いがあふれてくるのです。
 そして改めて、「主人を信じればいいんだ」「神様は悪いようにはされない」と確認したのでした。

 いつぞやテレビで、土曜日出社の女性が夫の手作り弁当を食べている様子が映されていました。
 私から見れば、かなり手の込んだリッチなお弁当。が、彼女は食材の一つを箸でつまみ、「これはもう少し立てて入れたらいいと思うんだけど」と言います。

 続けて「私、ケチつけるから(夫に)怒られるんですよね。言わなきゃいいのに。でも、言っちゃう」
 見ていた私は、心の中で「あ~あ」(彼女のそんな側面が自分にないわけではありません)。

 バリバリのキャリアウーマンの妻を、自分は土曜休みだからとサポートしてくれる夫。「ありがとう」だけで完結しておいたらお互いどんなにハッピーだろう、と思わずにはいられませんでした。
 ケチをつけた分、彼女自身の感謝の思いまで損なわれてしまい、ハッピー度も下がるでしょう?

 自戒と共に。