平和の大道 37
国際ハイウェイ・日韓トンネルが開く未来①

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 今回から数回にわたって「国際ハイウェイ・日韓トンネルが開く未来」について論じる。日韓トンネルが完成し、国際ハイウェイ構想が実現したと仮定して、その時の世界の景色がどのように見えるのかを描いてみる。これが国際ハイウェイ・日韓トンネル構想のビジョンとなる。

 一般的に言うと、事業を行うにあたり、その成功(目標達成)を登山に例えてみると、登頂することである。目標となる山の頂上に登り、その時頂上から見渡す景色を、山を登る前に予見して見る景色がビジョンとなる。戦略を立てるとは、ビジョン実現のための多くの選択肢の中から一つに絞り込むことであり、登山に例えれば山の頂上に至る最短コースの選択である。ビジョンあっての戦略である。

 何事もビジョンをしっかりと立てて取り組まないと、成功することが難しくなる。特に、国際ハイウェイ・日韓トンネルという、実現までに長期間を要するビッグプロジェクトにおいては、しっかりした長期ビジョンと戦略を立てて、それを軸にして事業を推進することが成功の鍵になる。

シナジー効果

 日韓トンネルは、国際ハイウェイと連結されて本来の効果が生じる。「文明創造のインフラ」という次元で、その「シナジー効果(波及効果・相乗効果)」は何かという考えに立たない限り、未来の正しい姿を予想することができない。

 いわゆる費用対効果(B/C)という経済効果中心の視野の狭い考えでは、その真の姿を把握することはできない。ここでは、経済効果に加えて、政治的、文化的、歴史的な面から見た相乗効果に着目して未来の姿を描くことにする。

 相乗効果は、足し算ではない。掛け算であり、二乗、三乗の幾何級数的な上昇カーブを描く。国際ハイウェイ・日韓トンネルの未来を切り開く効果をひと言で言えば、「世界平和と新文明の創造」である。

 日韓トンネルは、国際ハイウェイ構想の一部であるから、まず国際ハイウェイ構想の効果について知らねばならない。国際ハイウェイは超高規格国際ハイウェイで、片側4車線以上、国際道路、鉄道併設、最高速度無制限、両側それぞれ1kmの自由地帯(ノービザ)を併せ持つ。単なる一般の高速道路ではない。その効果は歴史を変えるほどのものがある。歴史的に検証することによって、その効果と未来に及ぼす姿を具体的にイメージしてみる。

古代地中海文明とローマ街道

 それに類似した歴史的実例は、「すべての道はローマに通ず」の「ローマ街道」である。ローマ街道は、当初、ローマ帝国の効果的な安全保障システム構築のための軍事目的のために敷設された。古代ローマは安全保障を文明の一番のインフラと考えたのである。

 アッピア街道(B.C.312年着工)に始まり、約500年かけて、帝国全土15kmの道路網(ネットワーク)を構築した。直線、2車線、歩道、排水溝、厚さ1mの四層構造、完全敷石舗装、平垣、橋、トンネル等の高規格性を備えていた。休憩場、宿駅(マンシオネス)、駅(スタティオネス)、軽食堂(タベラ)、マイルストーン、旅行地図、郵便制度等の付帯施設も完備しており、一般開放された。万人自由無料通行の高規格道路の社会システム、インフラの創造である。

 その結果、帝国全土の安全保障システムの確立、経済・文化の広域的、平均的、統一的、飛躍的発展、地域格差の是正、経済・富の平準化により、パクス・ロマーナ(ローマの平和)が訪れ、古代地中海文明が生まれた。人類歴史上最初の多国家、多宗教、多民族、多言語の世界的、普遍的帝国・文明が誕生した。高規格の道路システムが、平和のインフラ、普遍的な世界国家、文明創造のインフラとなることの歴史的実例である。

 現代における実例は米国の州間高速道路、ドイツのアウトバーンである。日本の実例は新幹線である。新幹線は高速道路ではないが、高規格性では共通する。

一日生活圏

 国際ハイウェイは全地球を物理的に一つにする。人体に例えれば、動脈、血管に該当する。国際ハイウェイにより、地球規模の血管網が完成する。物流や人の流れが自由かつ頻繁になり、まず「広域経済圏」、「統一経済圏」が生じ、経済が広域的、飛躍的に発展する。その結果、技術や富の平準化がなされ、地域間経済格差が是正され、障害となっていた国境が実質的に消滅するようになる。

 言い換えれば、世界を「一日生活圏」にする。誰でも簡単に国境を越えて往来すると、境界としての国境の意味がなくなる。互いに他の宗教との往来を頻繁にすると、宗教間の壁が壊れる。全人類が一日生活圏に入って暮らすようになると、人種の壁も崩れる。見た目が異なり、言葉も異なる人種の間にも意思の疎通がなされ世界の文化が一つにまとまり、文化革命が完成する。

 つまり、経済革命(経済統一)、政治革命(政治統一)、宗教革命(宗教統一)がなされ、「地球村」の実現、「新文明」の実現へと向かう。

 とりわけ、戦争の動機が自然消滅し、「平和文化」が涵養される。「こうして彼らはそのつるぎをうちかえて、すきとし、そのやりをうちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」(旧約聖書イザヤ書24節)に描かれている世界が現れる。このようにして、戦争と階級という人類歴史の宿痾(しゅくあ)の解消へとつながり、世界平和の道が開ける。特に、韓半島の南北統一促進、北東アジア共同体形成の推進に貢献する。

(『友情新聞』2014年7月1日号より)

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 次回は、「国際ハイウェイ・日韓トンネルが開く未来②」をお届けします。


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