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平和の大道 33
対馬地域の開発と展望

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

産經新聞報道

 今年(2014年)119日の産經新聞に、国際ハイウェイ財団の対馬斜坑基地に関する記事が掲載された。「島が危ない 第一部 再び対馬を行く」というタイトルの6回連載特集記事の中で、「進む土地買収、根を張る韓国」の見出しからなるカラー写真入りの第1回目の記事が、一面と三面で掲載され、対馬における当財団阿連斜坑基地について大々的な報道がなされた。

 この連載記事の結論は、対馬等の国境の離島を国家がもっと関心を持ち「国境離島振興法」のような法律を制定すべきであるという建設的な提言であった。このような提言は日韓トンネル建設を前提として、対馬地域を、日韓関係を超えたインターナショナルな平和の基地にしようとする国際ハイウェイプロジェクトの方針と基本的に一致する。

 当財団にとっても、国際ハイウェイ・日韓トンネルとの関連において、対馬地域の振興問題は重要なテーマであり、今回の産經新聞記事で対馬地域の振興問題が取り上げられた意義は大きい。

 日韓トンネルの技術に関するテーマはしばらく差し置いて、このような新聞記事が出たことを契機に、数回にわたって、日韓トンネル建設を前提とした「対馬地域の振興・開発計画」を提案する。

対馬地域の現状

 対馬は、壱岐の北西60kmにあり、日本の最果ての地だが、韓半島にはわずか53kmと最も近く、国際性をもつ辺境の島である。島の大きさは710㎢で、佐渡島、奄美大島に次ぎ日本で三番目に大きい。島の東西は18kmしかないが、南北は82kmと長い。日本列島は大昔、大陸と陸続きであったが、その名残が対馬の動植物に残っている。位置的に、大陸と日本の橋渡し役を担うことが運命づけられていた。「魏志倭人伝」にも島の記録が残されているように、古来より大陸との接点であり、往来の要衝をなしてきたのである。

 対馬の人口は約35千人(平成25年現在)であり、若者の流出が目立ち、過疎化と高齢化の悩みを抱えている。島は対馬市の下、六つの町で構成されており、行政、文化、教育の中心は、南寄りの厳原(いづはら)町である。厳原町の人口は13千人、面積は177㎢である。そこから北に、美津島町(8千人)、豊玉町(38百人)、峰町(23百人)、上県町(36百人)、上対馬町(4千3百人)と続く。

 対馬はほとんどが山岳地で平野が極めて少ない。したがって道路が少なく、しかも曲折しているため、町々の交通が不便という島発展の阻害要因がある。動脈は国道382号線のみである。島の景観は、壱岐と併せて国定公園に指定されているほど美しい。特に中央部にある浅茅(あそう)湾は溺れ谷になっており、複雑な地形の入江は優美で、小高い上見坂(かみざか)からの眺めは息をのむ美しさである。

対馬のもつ課題・問題点・方向性

 次に、対馬のもつ課題、問題点を列挙し、それらに対する方向付けを探ってみよう。

①壱岐と同様、人口が減少気味で、過疎化、高齢化が進んでいる。積極的な地域の産業振興、新しい産業立地により若年層のUターン促進と雇用対策とともに、抜本的な「島土改革」を図らなければならない。

②対馬には大学や専門学校の高等教育機関がない。高校を卒業した若者が高等教育を受けるためには必然的に対馬を離れなければならない。高等教育を受けられるための他地域からの流入者もない。これが対馬地域の人口流出の大きな原因となっている。「海洋大学」を設立すべきであるという案もある。

③対馬は、全面積の90%が200~600m級の山々で覆われ、平地に乏しい。また、地形的、地質的(大部分が堆積岩)条件から、山を切り開いて市街を形成することは極めて困難である。そこで、交通の幹線として各地区を道路で結ぶためには、山にトンネルを貫通させて結ぶのである。

 また、そのトンネル技術を駆使して、山間や急崚な山をくりぬいて「山岳都市」を形成する。あるいは、山頂部が連続して丘陵となっている部分は、眺望のよい「ヒルトップタウン」を形成できる。それによって、対馬独特の開発手法を生み出す必要がある。なお、島の内部をくりぬくことにより産出する御影石は、本土での需要が極めて高いものである。

④対馬は本土と韓国との距離がほぼ等しい位置にあるが、現状では、韓国に近い位置的条件は生かされていない。日韓トンネルの開通が、対馬を極めて有利な国際的舞台に押し上げることは想像に難くない。今から「スーパー・インターナショナル・リージョン」として位置付け、「超国際地域」構想を打ち立てる必要がある。

⑤対馬地区も壱岐地区と同様、行政権、経済圏、地理圏における複雑性がある。日韓トンネルが実現すれば、対馬が大事な「大陸への出島」になるから、長崎県は対馬が国際的檜舞台に登場できるよう、行政面、経済面から検討する必要がある。

⑥対馬の数ある景観の中でも、島の中央にある浅茅湾は飛び抜けた絶景である。自然を生かしながら、湾周辺の開発、風光の積極利用を考えるべきである。浅茅湾の真珠の養殖は、地場産業として振興させるとともに、国際化した場合の重要な観光資源としても位置付けられる。

⑦大型ジェット機が離着陸できる空港(現在の滑走路は1500m)がない。その整備が、対馬の超地域化、国際化には必須である。人々が対馬に入るには、まず福岡や韓国の釜山に来て、そこから飛行機や船を使って移動する以外にない。特に首都圏、中部圏、関西圏の人々にとって対馬への直行便がないことは対馬の開発と発展にとって致命的である。沖縄の石垣島では2000m滑走路を持つ新石垣空港が去年(2013年)オープンし、首都圏や関西圏から、また海外(台湾)からの直行便が離着陸できるようになった。

(『友情新聞』2014年3月1日号より)

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 次回は、「対馬開発の新提案」をお届けします。


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