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平和の大道 32
日韓トンネルのシナジー効果

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 去年(2013年)1220日、国際ハイウェイ・日韓トンネル構想の実現性に関して、韓国テレビ局MBCの取材があり、「国際ハイウェイ・日韓トンネルのシナジー効果」について事務局長の私に質問があった。今回はその際に話した返答に少し説明を加えた内容を紙面で紹介する。

文明とインフラ

 「すべての道はローマに通ず」のローマ帝国は道路のインフラを世界ではじめて造った。イギリスは航海、海を渡る船というインフラを造り、その結果、大英帝国ができた。電気、通信、モータリゼーションというインフラを造ったのは米国だ。

 その時代における最先端のテクノロジーをインフラとして具現化できた国がその時代の最強の国際競争力を持てる。これが歴史的現実である。

 現在のインターネットによる高速デジタル通信設備と同様に、国際ハイウェイによる地球規模の高規格の高速交通ネットワークシステムは21世紀の新文明の創造のインフラ造りという次元のビッグプロジェクトである。したがって、「経済効果」中心の観点を超えて、「文明創造」という大きな観点から総合的な視点でなされなければならない。

経済効果中心の考え方の誤り

 2009年、韓国の李明博大統領が大統領就任直後に日韓トンネル建設構想を国家プロジェクトとして打ち出そうとしたが、そのB/C(費用便益分析)を専門機関に委託し、その調査結果が0.5以下であるという結果が出たことを受けると、この計画を取り下げた。

 B/C、いわゆるベネフィット(便益)とコスト(費用)との比例計算は、会社経営等の経済投資や一般的な公共工事における重要な指標であり、広く用いられていることは否めない。

 しかし、国際ハイウェイや日韓トンネルのように膨大な資金(日韓トンネルだけでも約10兆円かかるとも言われる)がかかり、かつ高度な公共性のあるプロジェクトに対し、この「経済効果」の指標によって実行するかどうかを決定することはあまりにも短絡的であり、不適切である。B/Cではなく、社会全体にわたる長期的なスパンの「シナジー効果」(波及効果、相乗効果)で効果性を検証すべきである。

シナジー効果

 日韓トンネル、国際ハイウェイが実現したと仮定した時の社会全体に与えるシナジー効果を以下の7段階のプロセスで考えている。

①高規格の国際的高速交通ネットワークの構築
 国際ハイウェイは高規格の国際的高速交通ネットワークの構築が目的である。これができることで物流や人間の交流が飛躍的に増加し、経済活動が爆発的に活性化し、繁栄する領域も点から面へと広域にわたって拡大していく。これを「広域経済圏」と言う。

②広域経済圏
 広域経済圏ができると、経済交流の頻度が幾何級数的に拡大し、経済発展も数十パーセントの成長のレベルではなく、一桁二桁アップのレベルとなることも可能となり、高密度・広域・高次元の「統一経済圏」へと進む。

③統一経済圏
 統一経済圏ができると、物流や人間交流の自由通行を妨げる制度や施設が障害となり、その改革や撤廃を自ずと求めるようになる。「国境撤廃」も現実的な要求から求められるようになる。

 さらに、自由通行には平和な環境が前提になるから、自由通行の基盤が安全保障の実質的な基盤となるため、戦争する主要な要因・メリット(利点)が不要になる。このような基盤が確立していくと自由と繁栄と平和とを保証する「統一政治圏」へ向かうようになる。

④統一政治圏
 統一政治圏ができると、安定した政治基盤と繁栄する経済基盤の上に、「文化」の華が咲く。今までの人類歴史の文化とは次元の異なる高次元の文化の華が咲く。それを「統一文化圏」と言う。

⑤統一文化圏
 統一文化圏ができると、発展した経済基盤からなる物質的な側面と豊かな文化からなる精神的側面が融合した高次元の「新文明」の創造へと社会が進展していく。これを「統一文明圏」と言う。

⑥統一文明圏
 統一文明圏とはどのような世界であろうか。新しい次元の経済、政治、文化、文明からなる自由・繁栄・統一・平和・幸福等の諸価値が実現された理想世界である。

⑦世界平和・理想世界の実現
 このような過程を通して、世界平和、理想世界が実現していくと考えられる。

 この七つの過程を実現した歴史上の典型的な実例がローマ帝国である。あの「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」はこのようにして確立されたのであり、その出発は「ローマ街道」である。国際ハイウェイプロジェクトは「新文明を創造する21 世紀のローマ街道」であると言うこともできる。

(『友情新聞』2014年2月1日号より)

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 次回は、「対馬地域の開発と展望」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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