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青少年事情と教育を考える 227
ネットにあふれる危険な情報

ナビゲーター:中田 孝誠

 今月15日、岸田首相襲撃事件が起きました。

 動機などまだ不明な点がありますが、こうしたテロ行為が許されるべきではないことは言うまでもありません。

 一方、今回の事件で深刻な問題と指摘されていることの一つが、24歳の容疑者がインターネットで得た情報をもとに手製の爆弾を作ったと見られることです。

 爆弾の作り方の情報を誰でも簡単に手に入れることができる。インターネットの負の部分が改めて浮き彫りになったというわけです。
 もちろんこうした状況に、警察も手をこまねいていたわけではありません。

 警察庁は、2006年から民間に委託して、インターネット上の違法、有害な情報を一般から提供してもらう「インターネット・ホットラインセンター」を運営しています。

 具体的には、わいせつ物や児童ポルノ、薬物、さらに自殺を呼びかけるサイトなどを対象に、一般のユーザーが見つけたら通報してもらいます。
 そしてガイドラインに照らして違法・有害と判断された場合、サイト管理者に削除依頼など対応を求めます。

 それが今年2月からは、「爆発物・銃砲等の製造」「拳銃等の譲渡等」が通報の対象に追加されました。昨年7月の安倍元首相の銃撃事件が契機になったと思われます。

 「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況を見ると、例えば2021年には40万5572件の通報を受け、約1割の4万1944件を違法情報と判断。このうち2万件余りがわいせつ物の陳列、1万7千件が規制薬物の広告でした。また自殺を誘う情報は2611件ありました。

 これらの情報に対して警察へ通報したり管理者に削除依頼が出されたりします。実際に削除されたのは違法情報では依頼を出した2206件中1970件、自殺に関する情報では2199件中1112件でした。
 完全ではありませんが、一般からの情報提供も一定の成果を上げていると言えそうです。

 インターネットに掲載された違法、危険な情報に対して、特に子供たちをどう守っていくか。そのことをますます意識せざるを得ない事態になっています。