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青少年事情と教育を考える 226
「子ども読書の日」~子供に読書の意欲を

ナビゲーター:中田 孝誠

 4月23日は「子ども読書の日」です。
 国民の間に子供の読書活動への関心を深め、子供が読書への意欲を高めることができるように設けられました。

 読書の効用は改めて言うまでもありません。子供たちの読解力や思考力、表現力などを育てる上で有効です。
 政府も3月、子供の読書活動の推進に関する基本計画を定めました。

 これによると、図書館での児童用図書の貸出冊数や全校一斉の読書活動を行う学校の割合は減少しています。
 また、1カ月に1冊も本を読まない不読率の割合を、今春までに小学生2%以下、中学生8%以下、高校生26%以下にする目標を掲げていました。しかし実際には小学生6.4%、中学生18.6%%、高校生51.1%で、目標は達成されていません(数値は、全校学校図書館協議会「学校読書調査」)。

 新型コロナ感染拡大による臨時休校などの影響で図書室に行けず、本に触れる機会が減った可能性もあると見られています。
 なお、読んだ本の中に教科書や漫画、雑誌は含まれません。

 3月に発表された計画では、基本方針として「不読率の低減」を掲げています。そのために子供たちが就学する前から読み聞かせを促進することや、不読率が高まる高校生に対して探究的な学習活動などでの図書館の活用を促進することと提言しています。

 社会のデジタル化に対応し、言語能力や情報活用能力を育むことや図書館のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進める。さらに障害のある子供や日本語指導を必要とする子供など多様な子供たちの可能性を引き出すために読書機会を確保することも述べています。

 そして計画は、子供の読書活動の推進には、家庭、地域、学校を中心に社会全体で取り組む必要があると訴えています。