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心情開拓
心霊を育てる生活原則(76)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【モーセ路程】
愛国心を崩さなかったモーセ

 悪人に対しても、善人に対しても、一本張りでいかなければ、天との授受ができないのです。天の主管圏内にいることができないから、いくら自分がでかいことを言っても、一日の生活に変更がある人は、絶対前進できないのです。これは覚えておかなければなりません。

 モーセは宮中にいても、ミデヤンに行ってイスラエル民族に対する牧者になっても、一本張りに愛国心、人を愛する心をもっていたのです。だから相当崇拝された青年だったのです。このことから、私たちがどこに行っても、自分が今までみ旨に対した決意を変えてはいけないということを、はっきり覚えておかなくてはならないのです。

 人を差別することは、自分を差別することです。大先生に対してはこうして、地区長に対してはいい加減にする、それは自分を差別することです。相手を差別するのではありません。あの人は、偉いから謙遜(けんそん)に付き合う、この人は何でもないから、どう取り扱ってもよいと、これは相手を差別するのでなく、相手によって自分を高くしたり、低くしたり、自分が変動しているのです。一回自分が基準を立てたなら、どんな仕事にもそれ以上しないと発展できません。だから、ごく小さいものに対しても歴史的と思い、いくら小さな仕事でも、それは全体的、世界的と思えば、神も世界的人物と認めてくださるのです。これは確かなのです。

 だからモーセがその家に行って仕事をしても、その家がイスラエル民族全体と思って、愛したに違いないのです。「自分はこの家で僕になったのだ」とは思っていないのです。荒野に行って牧者になっても、「自分が誠意を尽くすのは、民族的だ」と思ったのです。だから民族の指導者となれたのです。民族的な信念というか、民族的忠誠を払うから、民族的指導者になれたのです。だから、子供一人を見ても、全人類と思い、貴重に思う人は世界的人物になれるのです。

 偉い人であるほど、一人であっても、全体を見るのです。イエス様の生涯は、そうです。モーセは宮中から牧者に落ちても、生活に変わりがなかったのを見ることができます。そこで40年間過ごしたのです。40年間基台をつくったと言える理由は、自分が命を懸けて行こうとする所へは、自分の妻も共に命を懸けて行こうとする、そういう家庭ができたからです。

 大先生もこの間話されたのは、年若いお母様を、先生の基準にまで情的に成長させるのに、7年間全力投入して尽くされました。大先生が情的に動くのと共に動かれるようになったのです。「言わなくても一体となって授受できるようになった」と、おっしゃったのです。

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 次回は、「情的一体化がなされれば苦労はなくなる」をお届けします。


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