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青少年事情と教育を考える 216
「家庭内暴力」解決は家族の関係性改善から

ナビゲーター:中田 孝誠

 今回も、家庭内暴力を取り上げます。

 家庭内暴力を振るう子供について、「もともとは真面目でおとなしい子」「親の言うことには何でも従ってきた」「外では自己主張が少ない」「友人が少なく孤立しやすい」といったことがいわれます。

 両親のいずれかが過干渉で、干渉する親への反発が原因となって暴力を振るうようになる、といった指摘もあります。

 親が子供の意見をよく聞かず、親への不満を積もらせて爆発させるケース、家庭内だけでなく家庭外の社会環境や学校でのいじめなどの影響もあるといわれます。

 また暴力は、子供の自立したいという気持ち、親から愛されたいという気持ちの表れだという声もあります。

 いずれにしても、家庭内暴力自体は内外の要因が絡み合った問題だと言えます。
 では、この問題にどのように対処することができるでしょうか。

 家庭内暴力に限りませんが、子供に何らかの問題行動があった場合、その子だけの問題として捉えるのではなく、あるいは父親や母親を責めるのではなく、親子、夫婦、兄弟姉妹、家族全体の関係性に焦点を当てる家族療法といわれるカウンセリングの方法があります。

 例えば、母子密着と夫婦関係の改善に注目したり、子供を愛せないという親がいたら、さらにその親(子供から見たら祖父母に当たる)との関係性に注目したりするのです。
 そうした関係性の改善によって、子供の問題行動にも改善が見られるというわけです。

 また、前回紹介した『「子供を殺してください」という親たち』の著者、押川剛氏は、子供本人の個人的問題としてではなく、家族の問題として受け止めること、親自身が自分の人生を振り返ってみることが、問題の本質に気付くヒントになると述べています(押川氏は、家庭内暴力を振るわれる親の相談を受け、子供を医療機関につなげる仕事をしています)。
 そして、親として今まで気付かなかった子供の心の痛みを受け止め、子供にどのような姿勢を示すか、真剣に考え、専門家の指導を仰ぎながら、子供を助ける「治療者の一人」になってほしいと訴えています。

 専門家の力を借りながら家族がしっかり立ってこそ、子供の問題を解決できるということでしょう。