シリーズ・「宗教」を読み解く 204
宗教統一と世界平和④
なぜ、さまざまな宗教伝統が生まれたのか

ナビゲーター:石丸 志信

 なぜこれまで、時には争いの原因ともなるようなさまざまな宗教伝統が生まれたのか。
 等しく人類の救済を標榜(ひょうぼう)する宗教でありながら、それぞれが自己の正当性を主張し他を排斥しながら、多くの障壁を生んできた。

 人間始祖の堕落の故に、それも致し方ないことだったのかもしれない。
 旧約聖書のバベルの塔の物語に記されたように、傲慢(ごうまん)にも創造主を忘れ、天にも届く塔を立てようとした人間を天は裁き、人々は全地に散らされ、さまざまな言語が生まれ、互いに意思疎通ができなくなった故だろう。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、この状況を、もう一つの角度で捉えている。

 「人類が分散されているので、人類を収拾しようとすれば、自然と各民族に合った宗教が必要になります」(『真の父母経』第11篇、第1章、第4節の4 p.1268)と語る。
 そこに、宗教を立てて人類を救済しようとする神の意思をくみ取っているのだ。

 続けて、「それぞれの歴史と環境、文化の背景と風習、習慣が異なるので、このような様々な形態を一つの目的に収拾するためには、数多くの宗派がなければなりません」(同上)と言う。

 そしてこのいくつにも分かれた宗派を、神は川の支流から本流へ、大河となって大海に注ぐかのように、一つに導いてきたのが人類歴史であったと文総裁は見ている。

 「数多くの宗教も一つの流れに合わさり、最後には神様を心の中に迎え、神様の愛を占領する所にとどまるようになるのです」(同上)