シリーズ・「宗教」を読み解く 205
宗教統一と世界平和⑤
宗教連合運動は、まず対話から始まり協力へと進む

ナビゲーター:石丸 志信

 文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁のメッセージを引用する。

 「今日、世界的な大宗教として、キリスト教、イスラーム、仏教、儒教があります。これらの宗教は、文化背景が異なる各地域を収拾して、一つの世界に連結させることのできる道を形成してきました。そのような宗教文化圏を背後にして、一つの世界に前進していかなければなりません。ですから、絶対的な神様の摂理を中心として『終わりの日』が近づけば近づくほど、宗教連合運動に連結されていくのです」(『真の父母経』第11篇、第1章、第41 p.1267

▲左が文鮮明総裁(第2回世界宗教議会、19908月 米国)

 宗教連合運動は、まず対話から始まり協力へと進む。
 20世紀に起こったエキュメニカル運動(キリスト教の教会一致運動)はその主軸となるものだ。

 出発点は、19106月に開催されたエディンバラ宣教会議である。英米のプロテスタント諸教派の代表約1300人が参加。今後の世界宣教について、教派を超えていかに一致協力していくかが協議された。

 19世紀に英米のプロテスタント諸教派が本格的な世界宣教に乗り出した。数多くの教派が独自な宣教活動を展開することによる弊害も起こった。その問題解決のためにも会議の必要があった。

 エキュメニズムは、「互いに愛し合いなさい」と言われたイエス・キリストの言葉に立ち返り、「一つの家庭」「普遍的な教会」の理想を追求するものだ。

 エディンバラ宣教会議の協議内容は、その後も継続され、19488月創設の世界教会協議会(WCC)に引き継がれた。これには正教会も加わった。

 カトリック教会は、1962年に始まり1965年に閉会した第2バチカン公会議において、エキュメニズム運動の推進を決定した。以後、プロテスタント諸教会、正教会とも積極的な対話と協力関係の構築に乗り出していく。