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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(34)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼(キム・ウォンピル)先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
三、興南監獄での伝道

▲金元弼先生

内務省での拷問による取り調べ

 その当時、先生は、「私はもう牢屋に入るのだ」ということが分かっていらっしゃったと思いますか、分かっていらっしゃらなかったと思いますか。イエス様が来られたときに、十字架につけられると思っていたのでしょうか、それともつけられないと思っていたのでしょうか。第一に、十字架につけられるとは考えませんでした。しかし、人間がみ旨についていかないとするならば、そういうことも起こり得るというお考えはあったでしょう。

 内務省に連行された先生を、刑事たちも魔術師のように考えていたので、三、四人で先生を調査し始めました。先生が魔法を使うと思っているので、調査の途中でも、先生がトイレに行かれれば、魔法を使っていなくなるのではないかと思い、常に二人の刑事がトイレまでついていったのです。また一人にしておくと、いついなくなるか分からないというので、先生を7日間眠らせないで監視しました。

 共産党の拷問の中でも、最も大変な拷問には、「食べさせない、寝かせない」というものがありました。そのようにすると、言うとおりに答えるようになるのです。官憲は、先生を寝かせないために、自分たちだけ交代して眠り、先生が眠りそうな時間になると、眠らせないようにしたのです。どんどん話し掛けるのでした。

 私が2日間入って取り調べられた内容と、先生に対してどういう罪をかけようとしていたのか、ということの一端をお話しします。

 私は、二つのことについて中心的に聞かれました。一つは、「お前は、この人をどういう人だと信じているのか」ということでした。その次に、「お前は教会に献金をしたことがあるか」と聞くのです。

 この人たちは、キリスト教の教理とかは、頭にはありません。それは何でも構わないのです。なぜならば、彼らはキリスト教自体を否定していたからです。彼らは、教会の人々からお金を搾取して、私たちがそれを自分たちのために使ったのではないか、とねらっているのです。また、先生がどういう人であるか聞いたのは、「メシヤだと言って、それを利用してたくさんのお金を取ろうとした」という条件を奪おうとしたのです。

 私のことをもっと詳しく調べようとしました。そのために、当時私は小学生を教えていたので、私が学校で担当していた子供たち全員を一人一人呼んで、「金(キム)先生はお前たちに何を教えたのか」と、全部聴き出して調べました。

 先生には、7日間寝かせないでする取り調べをしました。そういう中で、先生が拷問を乗り越えられたのは、目を開けながら、10分間だけでも熟睡することを心得ていらっしゃったからです。目を開けているので、官憲は眠っていないと思うのです。

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 次回は、「苦労させなければならない神」をお届けします。


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