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心情開拓
心霊を育てる生活原則(32)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

2 個人と教会の発展のために
(1970年6月26日)

▲李耀翰先生

開拓地では人を立て、育てる

 私たちは開拓に行っても、初めは自分が中心になってはいけないのです。その地方のだれかを中心にして、その人に相談して、ただ理念だけは自分が補給しながら、その人がこの理念を喜べば、その人を主体者としていくのです。

 そして役事(やくじ)のおばあさんを3人立て、私たちのために祈ってもらうとか、相談してみるとか、何をしても許可を受けてするのです。「自分が責任者だから」と勝手にするというと、ちょっと難しい。ちょっと良くない。自分が決定したいけれども、その人に相談すれば、「ああそうですか」と言って、向こうで喜んでくれます。人をまず喜ばせておいて、自分が行動して初めて、兄弟がだんだん増えていくのです。それを、四位基台で見守っていくのです。そういう教会の兄弟をつくって、外的に活発にします。

 私たちも肉体は一線にいて忙しく働いても、霊的には静かに、いつも自分の境遇を観察しなくてはならいのと同じことです。教会もそうなのです。心に属する信者と、肉体に属する信者とに分けて見るのです。

 中心者が第一線に立ってやると、盛り上がる期間だけは盛り上がりますが、いつも盛り上がるのではないのです。中心者が一線に立つ場合、退く基準線があるのです。ある期間だけ、兄弟を慰労する目的で、一線に立つのであって、一線に立つ目的で立っているのではないのです。教会の信者たちを、兄弟たちをそうするために、自分が動機になってやるけれども、そのあとは、みんなが一線に立ちます。行動的動機ではなくて、みんなの霊的動機にならなくてはならないのです。

 そうでなくてはならないのに、結局、自分の愛で握った対象者を、それを第二の自分として、自分の代わりになって働く中心者になるまで成長させずに、自分が先頭に立っているのです。先頭に立ちながら、その人を育てて、先頭に立つようにしなくてはいけません。第二の自分をつくらなくてはならないのです。それは自分によります。自分はその人のできない部分に責任をもちながら、その人を先頭に立たせるのです。

 だから、自分は育てなくてはいけません。イエス様も、洗礼ヨハネが一線に立たないから、伝道し始めたのですが、洗礼ヨハネがやれば、自分は引っ込んでしまうのです。だから皆さんも、6カ月なら6カ月、ある期間を決めて、自分は先頭に立つけれども、6カ月過ぎたあとは、自分の代わりに立つ人を見つけて、中心者に育て、個人指導しなくてはならないのです。ずーっと個人指導して、自分ができなければ地区長に任せてくるか、とにかくだれかに任せて、中心者を養ってこなくてはならないのです。

 自分は一線に立って活躍しても、その目的は、第二の自分になる人間を中心として、誠意を尽くすためです。だからその人をつくるまでは、あまり大勢とつき合ってはなりません。イエス様も、ある青年が、「私も先生についていきます」と言った時、「人の子にはまくらする所がない」と言ったのは、洗礼ヨハネという人間を探さなくてはならないからです。だから学校の中で開拓する時も、学校の中でだれを中心に立てるか、他の人を伝道しなくていいから、その人1人に誠意を尽くして立てれば、中心にならない者100名より、中心になる者1名のほうが、約3カ月なら3カ月、6カ月なら6カ月で、その人さえ立てば、学校全体に影響があるのです。

 日曜学校へ通った者の中で、大宗教家が出てきたというのです。日曜学校の時期は本当に、宗教的刺激が激しい時だからです。だから日曜学校をやらなくてはならないです。本当なら、正式なら、そうなのです。教会教育、宗教教育というものは、本当に貴重なのです。

親にどう対すか

 親に対しては、この理念によって健全に生活しているのを知って信頼しているのなら、それでいいのです。それで親は救われているのです。血統的に関係のない人を自分の親より以上に愛せば、ある期間を過ぎたなら、自分の親は自然に分かってくるのです。

 自分の家庭を直接は伝道できないのです。他の人から褒められて、「自分の子が世間でああいう立場にいるから」と認められるようになったら、家庭でも感動するのです。自分で直接できないのです。心配する必要はないのです。ただあまり心配させないように、便りで自分のやっている仕事を報告するといいでしょう。親の立場をいつも思っているという証拠を見せて、尊敬しながら、自分の使命はこういうことだと、親が心配しないくらいに自分の活動や生活を報告したら、自然に時が来たら、来ますよ。

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 次回は、「自分はだれのものか」をお届けします。


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