青少年事情と教育を考える 151
「子ども家庭庁」設置へ

ナビゲーター:中田 孝誠

 自民党の若手議員有志が先月、「子ども家庭庁」の創設を目指す勉強会を始めたというニュースがありました。

 一番の目的は、子供・子育てに関する縦割り行政を一元化することにあります。

 例えば、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、認定こども園は内閣府の所管です。また、児童虐待に対応する児童相談所や警察、学校、教育委員会も所管が違い、連携の必要性が叫ばれてきました。

 こうした課題に対して、「子ども家庭庁」に取り組みを一元化することで、妊娠から就学前、学校教育まで、一貫した支援を打ち出しやすくなるというわけです。

 子ども政策を担当する新しい省庁の案は、民主党政権時代の「子ども家庭省」など、これまでもありましたが、実現しませんでした。

 海外では、例えばフランスには「家族省」、ドイツには「連邦家庭省」、韓国には「女性家族省」があります。

 子供や家庭に関する政策を進める専門の省庁を設置することで、政策の実効性を高める役割を果たそうというわけです。
 もちろん、そこにどのような専門性を持った人材を配置できるか、予算をどれだけ確保できるかが課題です。

 日本の家族関係支出、つまり家族を支援する予算が諸外国に比べて低い水準にあることが問題とされてきました。GNP(国民総生産)比で日本は1.58%、フランス2.93%、イギリス3.46%です(日本は2017年、他は2015年のデータ)。

 近年は徐々に増えていますが、子ども家庭庁を設置することで、高齢者中心の予算配分から子ども家庭政策の割合を高めようという目的もありそうです。

 妊娠・出産から一貫した支援としては、フィンランドのネウボラ(フィンランド語で「助言の場」の意味)が知られています。確かに子供の成長・発達のために子育てを一貫して支える体制は大切です。

 「子ども家庭庁」が実現した時、具体的に子育てや教育など家族機能を果たすためにどんな政策を打ち出すのか、子供の健全育成、より良い家族関係のための支援がなされるのか。いろいろな意味で注目したいところです。