2026.02.27 17:00

青少年事情と教育を考える 312
若年層のネット依存対策は家庭の環境づくりから
ナビゲーター:中田 孝誠
インターネットやSNS、ゲームへの依存傾向が問題になっています。今月9日(2026年2月)には、新しい調査の結果が公表され、若年層で依存傾向が増えていることをうかがわせています。
「ネット・ゲーム使用と生活習慣に関する調査」で、調査を実施した国立病院機構久里浜医療センターは、アルコールやギャンブル、インターネットなど依存症の診療を長く行っています。

今回の調査は昨年(2025年)1月から2月にかけて実施されました。対象は10歳以上80歳未満の9000人です(有効回答4690人。うち未成年909人)。
依存傾向について見ると、インターネットの病的使用の疑いがある人は全体の6.2%でした。ただ、若年層(10〜29歳)では14.5%と1割を超えています。このうち男性が11.8%、女性が17.4%です。
SNSの病的使用疑いがある人は全体で1.8%ですが、やはり若年層では6.0%に上りました。
また、ゲーム行動症の疑いがある人の割合は全体が3.8%で、若年層では10.3%に達しています。男性が14.6%、女性が5.8%でした。
過去に行われた調査との比較を見ると、ネットの病的使用で若年層は2018年の6.2%から14.5%に増加しています。ゲーム障害も5.1%から10.3%に増えました。
ネットの病的使用が疑われる人のネット使用時間は、「6時間以上」が平日24.3%、休日55.7%に達していました。SNSの病的使用が疑われる人も、「6時間以上」が平日30.0%、休日は62.0%とやはり半数以上です。
さらに、ゲーム行動症やネット・SNSの病的使用が、家族内の問題やひきこもりなどとの関連を窺わせる数値もあります。
ゲーム行動症では、「家族に暴言を吐いたり、暴力を振るったりした」という割合が19.5%、SNSの病的使用では27.0%の人に見られました。
同センターで長年、ネット依存など依存症の治療に取り組んできた樋口進医師(現在は名誉院長)は、依存リスクを高める環境要因について、身近にゲーム好きな人がいたりする状態の場合はもちろん、子供一人で過ごすことが多かったり、親子・夫婦関係が不安定だったりという家庭環境も、依存リスクに影響します」と述べています(『灯台』2022年8月号)。
こうした依存の予防には、機器の利用についての約束事はもちろん、親もスマホをしない時間をつくって会話をするなど、家庭の環境づくりが大切だというわけです。