2026.02.13 17:00

青少年事情と教育を考える 311
歩きスマホで歩行自体が不安定に
ナビゲーター:中田 孝誠
駅や繁華街などで「歩きスマホ」の人にぶつかったり、ぶつかりそうになったりした経験が、ほとんどの人にあると思います。
ある調査では、15〜79歳のスマホ利用者(調査対象は約6300人)の中で歩きスマホをしている人は46%でした。10〜20代では約6割に上りました。
ちなみに、食事中にスマホを使っているという人も49%とほぼ半数でした(「2024年一般向けモバイル動向調査」モバイル社会研究所)。
歩いている時も食事中もスマートフォンから目を離せないというのも、スマホ依存の現れといえるかもしれません。

ところで、歩きスマホをしていると視野が狭くなる、つまり周囲が見えていないから誰かにぶつかったり、つまずいたりして危険だといわれます。
それは確かですが、実はそれだけでなく、歩行のリズムが乱れて不安定になり、つまずいたり転倒したりする危険性が高まるという研究を、京都大学の野村泰伸教授などの研究グループが発表しました。
研究グループは、①スマホを持たずに普通に歩く、②画面に何も映っていないスマホを見ながら歩く、③スマホでゲームをしながら歩く(つまり歩きスマホです)、という三つのケースについて段差や障害物のない場所で実験し、データを比較しました。
その結果、②と③で視覚情報の低下がありましたが、③の場合だけ、通常の歩行周期に見られる「歩行のゆらぎ」という現象に問題が起きていました。
つまり、周りが見えていないことで人や障害物にぶつかるという外部からの危険性だけでなく、歩きスマホに伴って脳内の情報処理がスマホに使われ、歩行の情報処理がスムーズに行われにくくなって歩行の安定性を低下させているという体の内部の要因があるというわけです。