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青少年事情と教育を考える 310
児童虐待の相談対応が初めて減少

ナビゲーター:中田 孝誠

 児童相談所(児相)が相談を受けて児童虐待として対応した件数が初めて減少しました。
 児童虐待相談対応件数というのは、全国の児相に寄せられた相談のうち、児童虐待として対応した件数のことです。2024年度は223691件で、前年度より1800件余り減少しました。
 1990年度から増加の一途をたどっていた児童虐待の件数が減少したのは初めてです。

 それでも、こども家庭庁や専門家の見方はあくまで「高止まり」の状態で、減少に転じたとまではいえないようです(ただし、2015年度から2022年度にかけて一部の自治体の報告が国の調査方法と合っていなかったとして、こども家庭庁が確認作業を進めていて、この間に減少する可能性がないわけではありません)。

 今回の相談の内訳を見ると、「心理的虐待」が133024件で約6割(全体の59.5%)を占めています。
 次いで「身体的虐待」が52535(22.9)、「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」が35612件(同15.9%)、「性的虐待」が2520件(同1.1%)でした。
 主な虐待者は「実母」が48.2%、「実父」が42.9%でした。
 相談や虐待者の内訳は、前年度と大きくは変わっていません。

 「心理的虐待」は、子供の目の前で夫婦(子供にとっては父母)の間で暴力を振るう面前DVや言葉で脅すといったことです。
 身体的虐待やネグレクトに比べれば、命の危険という点では緊急性はないかもしれませんが、夫婦関係の改善を重視することで児童虐待が減少する可能性もあるといえそうです。
 また、こども家庭庁は、母親が育児で孤立しないよう、妊産婦や子育て家庭への相談支援を早い段階から行う「こども家庭センター」の対応にも力を入れようとしています。