共産主義の新しいカタチ 71

 現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
 国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)

モースの「贈与と交換システム」
モースからレヴィ=ストロースへ①

 ソシュールからヤコブソンを経由して社会学及び人類学へ、記号学の体系は、構造主義思潮として、いわゆる「ポストモダン」思想につながっていきます。その受け皿となったのが、レヴィ=ストロースの思想です。しかし、それはまたフランス社会学の潮流の中でも位置づけられるのです。

マルクスとフロイトからも影響
 さて、「構造人類学」の巨人、クロード・レヴィ=ストロースに言及する前に、人類学分野で確かな業績を残したマリノフスキーの回でも紹介した「学派系統と相互関係」のチャート(下図)を再び掲げてみましょう(中央公論社「世界の名著」参照)。特に社会学・人類学・言語学とマルクス主義の思想関係性がたどれることが窺えます。

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 ここで注目したいのが、レヴィ=ストロースの位置関係です。本文末別掲の「資料」にあるように、レヴィ=ストロース自身が影響を受けたとしている三つの思想は、マルクス主義、ジークムント・フロイトの精神分析学、地質学だということです。

 しかしもちろん、ロマン・ヤコブソンと彼を通じて摂取したソシュールの言語理論と記号学もそうですし、何よりもフランス社会学の「主流」とも言えるエミール・デュルケームと、その甥にして後継者のマルセル・モースの思想、特にモースの「贈与論」の考え方がそのままレヴィ=ストロース思想の中核になっていることが分かります。

▲マルセル・モース(18721950)

「思想新聞」2025年6月15日号より

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