https://www.kogensha.jp

松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 8
4「私の愛」と「あなたの愛」①

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

愛することに疲れた?
 夫婦の対話を基本にした一泊二日の「夫婦幸せづくりセミナー」を、ある地方で行った時のことです。一日目の夜、一人の男性が「話があります」と言って来られました。

 彼は大きなため息をついたあと、話し始めました。

 「結婚して大分たちますが、なんだか疲れました……」

 「どうなさったんですか」

 「うーん、自分としては、何とかうまくやっていきたいと思って、妻を愛するように努力してきたつもりなんですが、どうもそれが通じないんですよ……」

 「どうしてですか」

 「妻や子供のためにと思って必死に働いているのに、感謝の言葉もめったにないし、それに、妻を喜ばせたいと思ってお土産を買ってきても、気に入った時でないと、喜んでくれません。この前なんか、服を買ってきてあげたのに、ありがとうの一言も言わないで、『これ高いんじゃない? それにこの柄、ちょっとねぇ』と言われ、がっかりしました。

 それだけじゃない。親密になりたいと思って時々、手をつないだり、肩を抱いたりしてあげようとすると、何か嫌がる感じなんですよ。だから、『この人は人の好意や愛情が通じない人なのか』と思ってしまいますよ」

妻の気持ち
 そのあと彼の奥さんにも会って、そのことを聞いてみると、「こっちこそ、疲れますよ!」と言う。「どういう意味ですか?」と聞くと、「私も今まで、夫と仲良くやっていきたいと思って、何度も、愛情を伝えようと努力してきたつもりですよ。だけど、そのたびに、がっかりさせられるんですよ!」

 「どんな面でですか?」

 「家事や育児はもちろん、収入を補うためのパートもやって、『彼を支えてあげることが、何よりも彼に対する愛情だ』と思ってやっているのに、ありがとうの一言もないし、それに、この前なんか、たまには二人だけでロマンチックな時間をもてたらと思って、コンサートに誘ったら、『そんな時間はないよ!』と、そっけない返事でした。本当にがっかりしました。『この人は、人の気持ちが全く分からない人なんだ』と思ってしまいましたよ」

 そう言いながら、彼女はかなり不満げでした。

 私は「この問題は、明日、テーマとして扱いますから、そこで一緒に考えましょう」と言って、その日は休んでもらいました。

---

 次回は、「『私の愛』と『あなたの愛』②」をお届けします。