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松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 3
1 相手の欠点②

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

ありのままを受け入れる

 では、「相手の欠点」が見えてきたとき、どうすればよいのでしょうか。

 それはたった一つ。まずは「ありのままの相手を受け入れること」です。

 つまり、相手に言いたいことが山ほどあったとしても、それをいったんは全部腹に収めて、「今のまんまのあなたでオーケーです」という立場をとるのです。そうしたときに初めて、二人がもう一度、スタートラインに立つことができます。

 そのうえで、「相手に要求する」のをやめて、「相手の願っていることを満たしてあげる」という姿勢で、奉仕し、尽くしていくのです。

 その努力を続けていけば、必ず、すべてが変わっていきます。今まで左回りになってしまっていた歯車が、右回りに回り始めるのです。

 自分が親切にしてあげれば、相手はうれしいので愛情を返してきます。すると、もっと尽くしてあげたくなります。

 こうして、いったんいい方向に回り始めたら、夫婦の愛情は、どんどん育っていきます。気がつけば、仲のいい、楽しい夫婦になっているでしょう。

目の前の人を愛する

 「人を裁(さば)くな。自分がさばかれないためである」(マタイ七・一)

 「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」(マタイ七・一二)

 このようなみ言(ことば)を我々は学んできたはずですが、実際に、夫婦や親子という近い関係になると、かえって、それを実践することが難しいのです。

 少し離れた立場にいる人たち、例えば、教会の兄弟姉妹や、友人、会社の同僚、近所の人たちには、案外親切にしてあげたり、思いやりをもって接したりすることができるのに、家族となると、かえって難しいということがあります。矛盾したことのようですが、現実にはよくあることです。

 それは、他人には愛をあまり期待していないが、家族に対しては「してくれて当然ではないか」という、無言のうちの期待があるからです。それが得られないとき、相手に対する不満がたまり、ついつい裁くような言い方になってしまうのです。

 内面に裁きの思いがあると、その言葉はどうしてもとげを含んでしまい、その言葉を投げかけられた相手は、敏感にそれを感じ取り、傷つき、反発します。

北風と太陽

 結局、相手の良くないところを、本当に変えてもらいたいと思うならば北風より太陽のほうが良さそうです。

 男がセンスの悪い厚いコートを身に着けている。それを脱がせようと、どんなに激しく風を吹きつけても、決して脱ぐことはない。逆に、ポカポカと暖かい愛の日ざしで包んであげると、自分でコートを脱ぎたくなるものです。

 「変えられないのは過去と他人。変えられるのは未来と自分」という名言があります。相手を無理に変えさせようとしても、まず成功は望めません。どんなに激しく相手の非を責めても、相手はますますかたくなになるだけです。急がば、回れということわざもありますが、結局、相手に変わってほしければ、自分が先に変わって、相手に親切を示すことが、最も早道であるということになります。

 相手に欠点があれば、神様に感謝できる条件となります。それは神様の重い荷を減らしてさしあげる条件となります。相対が一から十まで自分より足らないときは、かえって神様の前に、自分を表すことのできる条件となり得ます。(『祝福家庭と理想天国Ⅰ』1225頁)

 人に対するとき、その長所を探し出して欠点をかばってあげれば人はついてくる。人の悪い面ばかり見れば、自分の心霊に損害を受ける。(同289頁)

《ポイント!》
一、相手の欠点を無理に変えようとしない。
二、相手のありのままを受け入れる。
三、相手の願っていることを満たしてあげる。
四、相手を変えるのは、北風より太陽。

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 次回は、「お互いの違いを認める①」をお届けします。