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松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 4
2 お互いの違いを認める①

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

かみ合わない二人

「子供は、小さいときに厳しくしつけておかないと……」
「いや、子供は干渉しないほうがいいんだ」
「やっぱり、学歴も必要よ」
「いや、そんなことはどうでもいいんだ。実力だ」
「親戚(しんせき)づきあいを良くしておくべきだわ」
「そんなことより、まず、自分の生活だよ」
「摂理が大事よ。献金も早くしなくちゃ」
「車を買わなきゃ、仕事ができないでしょ」

 「……こんな具合なんです。どうにもこうにも、あの人とはやっていけません」とその婦人は憤懣(ふんまん)やるかたない様子でした。一緒に暮らしていても、すべての点で意見が食い違って、しかも、お互いに一歩も引かないので、いつも衝突するというのです。

 こんな経験は、多かれ少なかれだれでもするものです。信仰生活の面でも、家庭生活の面でも、夫婦で意見が合わないことは珍しくありません。「自分の考えは、経験から出ているので間違いはない、相手の考え方がおかしいんだ」と思うわけですが、相手も同じように思っていることが多いのです。したがって、相手を無理に“自分流”に従わせようとすると、衝突が起こります。言い合いになったら意地でも負けたくはありませんから、結局、けんかになり、相互不信につながりかねません。

 結婚生活を始めるとき、最も大切なことは、“自分と相手は違うんだ”ということを、しっかりと自覚して、出発することではないでしょうか。

性格と能力の違い

 第一は、もって生まれた性格や能力の違いです。性格の違いによって、ものの受け止め方や、反応の仕方は全く違います。性急な性格の人には、ゆったりした性格の人がぐずに見えたり、繊細な性格の人には、豪胆な人が横暴に見えたりすることがあり、優しい性格の人には、激しい性格の人の言動は威圧感を感じるものです。また、数字に強い人は、弱い人がもどかしく、話の上手な人は、無口で何も表現しない人が理解できません。そして、体の丈夫な人には、体が弱くて疲れやすい人の態度はだらしないように見えることもあります。

育った家庭環境の違い

 私たちのものの考え方には、育てられた家庭環境が大きく影響しています。家庭が裕福であった人と、貧困であった人の金銭感覚の違い。兄弟が多い場合と、一人っ子の場合の違い。長男・長女と末っ子の違い、さらに、両親の教育方針によっても大きく違ってきます。本人の自主性を重んじる放任主義で育てられた人と、親から手取り足取りで育てられた人では、人への接し方が違います。

 そして、祖父や祖母のいる大家族で育った人と、核家族で育った人と、両親の離婚や死別で片親に育てられた人も、それぞれに感受性の違いがあるようです。

 さらに、家業が農林業や漁業だった人と、商店など自営業だった人と、サラリーマンの両親のもとで育った人も、発想にかなりの違いがあります。

 さらに、両親が何か信仰をもっていた人と、無神論者の両親から育てられた人でも、やはり、考え方に微妙な違いを感じます。

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 次回は、「お互いの違いを認める②」をお届けします。