青少年事情と教育を考える 131
ICTの教育は教員の能力向上も合わせて

ナビゲーター:中田 孝誠

 菅政権はデジタル庁の創設などデジタル化の推進を政策の柱の一つに掲げています。
 教育の分野では、安倍政権が進めようとした「GIGAスクール構想」の実現を早めることを打ち出しています。
 ここには新型コロナウイルスの影響でオンライン教育が広がったことがあります。

 「GIGAスクール構想」は、児童・生徒1人1台の端末と高速のネットワークを整備し、「子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する」というものです。

 ICTは情報通信技術のことです。今までの日本の教育実践と最先端のICTを合わせて教師と児童・生徒の力を最大限に引き出すことを目指しています。
 こうした教育を実践する上で環境整備はもちろん重要です。

 一方で、ある意味ではそれ以上に重要なのが、教員の指導力でしょう。
 文部科学省が教員のICT活用力について調査したところ、例えば「教材研究や指導の準備」などに活用している教員は86.7%でした。

 それに対して、「授業にICTを活用して指導する(児童・生徒の興味・関心を高めたり、学習内容を的確にまとめさせるためにコンピューターなどを活用して資料を効果的に提示する、など)」は69.8%、「児童生徒のICT活用を指導する(学習に必要なコンピューターの基本的な操作を児童生徒に指導する、など)」は71.3%にとどまっていました。

 自身でコンピューターを使うことはできても、授業に活用したり、子供たちが活用できたりするように指導することが苦手な教員も少なくないというわけです。

 経済協力開発機構(OECD)は、日本の学校でのICT活用の割合が先進国の中でも低いとして、教員が活用能力を身に付けるために投資するよう訴えています。

 文科省も、資質・能力の育成を効果的に進めたり、限られた時間で効率的に学習するためのICT活用事例をまとめたりするなど、教員を支援しています。

 もちろん、教員にはさまざまな能力が求められます。ICTは子供たちの能力を伸ばすための一つの能力です。政府がICT整備を急ぐのはコロナの影響が大きいわけですが、そうしたことも含めた教員の能力向上、教員養成に力を入れるべきでしょう。