コラム・週刊Blessed Life 129
新型コロナ、日本の死者数がここまで少ないのはなぜ?

新海 一朗(コラムニスト)

 新型コロナの感染が止まらない日本と世界、一体どこまで感染は続くのでしょうか。

 感染者数の爆発的な増加に伴う重症者と死者数の増加も見られる中、大きな疑問が一つ浮かび上がります。
 それは、感染者が増加する一方、それに見合った死者数が現れない、言い換えれば、感染者数に比して、死者数が非常に少ない日本の「なぜ?」です。

 その理由は、「集団免疫」と関係があるというのです。

 集団免疫の典型的な例として、よく引き合いに出されるのがスウェーデンです。
 スウェーデンの人々は、マスクもせず、ソーシャルディスタンスもほとんど取らず、それでいて感染率と死亡率が急激に低下していると思われていましたが、その後パンデミックを起こし、どうやら、集団免疫戦略に失敗したということになりました。

 さて、日本に関してですが、「日本はすでに集団免疫の状態にある」との見解を発表し、話題になっている注目の研究者がいます。京都大学大学院特定教授の上久保靖彦氏です。

 上久保教授によれば、変異を繰り返す新型コロナには、少なくとも、S型、K型という弱毒性の先祖型と、G型(武漢G型、欧米G型)があるということです。

 S型は昨年12月に日本に上陸したと言います。その後、1月13日にK型が日本に上陸、中国近隣諸国にも広がりました。このK型に対する集団免疫が、日本においては出来上がったと見られます。

 2020年1月の訪日中国人の観光客が92万4800人、また2月の訪日中国人が8万7200人います。このようにK型を保有した中国人が多数、日本に足を踏み入れたからです。2月初めに中国からの渡航者を全面的に禁止した欧米では、K型は広がらなかったということです。

 実は、このK型は「T細胞免疫」(リンパ球で多彩な攻撃を展開する)を強化し、サイトカイン(細胞から分泌される低分子のたんぱく質)でG型(武漢G型)を撃退します。

 日本では、これが武漢G型、欧米G型を迎え撃ち、さらに、G型に対して集団免疫が達成されたのだと説明しています。しかしK型があまり入らなかった欧米では、G型によってADE(抗体依存性感染増強)が起きて重症化が広がり、多数の死者を出すに至ったのだという見解を、緻密な分析と多くのデータから導いています。

 日本は国家のシャットダウンをせず(外国人の入国規制は4月3日から実施)、K型を迎え入れた段階を持ったことにより、そのK型がG型(武漢型、欧米型)を迎え撃つ免疫増強の準備の時間が与えられることになって、集団免疫への体制を予期せずして整えてしまったという、けがの功名的な経緯(入国規制の遅れ、完全封鎖の未遂)をたどったという話です。

 この説明が発表された時、日本の視聴者たちの反応は、意外にも肯定的反応が70%を超える好反応で、20%が強い批判を浴びせ、10%はよく分からないというものでした。

 上久保教授の説が正しいかどうか最終判断をするのはさておいて、「日本はすでに集団免疫の状態にある」という説明は、免疫を獲得しているため日本では重症化が少ない、死者が非常に少ないという特徴を納得させるものであるならば、世界の疑問「日本の死者、少な過ぎる!」にある程度、答えているのかもしれません。