青少年事情と教育を考える 122
学校再開後の子供と教師のストレス

ナビゲーター:中田 孝誠

 学校が再開されて、およそ1カ月半が経過しました。
 もちろん休校中もいろいろな課題がありましたが、再開してからも子供たち、そして学校の教師も、さまざまな課題に直面しています。

 新型コロナウイルス感染症対策で、マスク着用、分散登校とクラスを分けての授業、お互いに話をしないで前を向く給食などが行われてきました。
 休み時間の遊びも制限されている状態です。登下校時に子供たちの間で感染が広がったと考えられる事例もありますので、やむを得ないところもあります。

 一方で、多くの行事が中止となり、夏休みも短縮されています。中学3年生や高校3年生といった受験生、特に新しく始まる大学入学共通テストの方式がようやく固まってきましたが、受験する高3生にとっては不安材料です。

 これまでと違う学校生活がストレスになり、不登校になる子供たちもいるといいます。
 また、子供と同様に心配されているのが、教師のメンタルです。子供たちに感染させないよう対策することと、休校前とは異なる子供たちの心のケアに取り組む必要があります。そして、カリキュラムの遅れを取り戻していかなければなりません。

 今後、先生たちが心身ともに深刻な事態になるのではないかと懸念する声があります。
 では、こうした事態にどのように対応するか。

 以前にも書きましたが、専門家によると、子供の心の健康を回復するには「親しい人とのつながり」や「規則正しい生活」がポイントになります。

 「つながり」は、家族といろいろ話す、友達とLINEやメールを活用して話す。
 「規則正しい生活」は、早寝早起きや3食きちんと食べる、ゲームやスマートフォンの時間を決めて守る、家の手伝いをする、などです。

 一方、教師に対しては、業務の効率化や負担軽減など行政が取り組むべき課題は常に議論になります。それとともに、家庭は教師のために何ができるでしょうか。
 これについては専門家の意見はありませんが、家庭は家庭として子育ての役割を果たすこと、そして子供と共に教師への感謝を示すことではないかと思います。