青少年事情と教育を考える 121
スマホの学校持ち込みを容認へ

ナビゲーター:中田 孝誠

 文部科学省は先月24日(2020年6月24日)、これまで小中学校で原則禁止にしてきた携帯電話やスマートフォンの学校への持ち込みを、新たに中学校で認める方針を示しました。

 文科省は2009年1月に出した通知で、教育活動には直接必要がないということで、小中学校では持ち込みを原則禁止にしていました。

 その後、大阪で起こった地震を発端として大阪府教育委員会が緊急時の連絡用に持ち込みを許可しました。そうした状況から、文科省でも専門家会議を設けて議論し、方針を転換したわけです。

 それによると、小学校では引き続き持ち込み禁止ですが、やむを得ない事情があれば、保護者に申請してもらって、例外的に認めるとしています。
 中学校では一定の条件の下で認めますが、校内では使用を禁止し、学校が保管することになります。

 その条件というのは、まず生徒が自主的に守ることができるようなルールを作ること。その上で次の3点を挙げています。

① 学校の管理方法やトラブルが発生した場合の責任を明確にする。
② 保護者がフィルタリングを責任をもって設定する。
③ スマホや携帯電話の危険性や適切な使い方を学校と家庭で指導する。

 今回の容認の理由として、登下校時の緊急時の連絡手段や、部活動で帰宅が遅くなることへの配慮が理由として挙げられています。

 一方で、多くの中学生がスマホや携帯電話を所有していること(2017年の調査で67%が所有)や、一部の学校はすでに持ち込みを容認していることなどから、いわば現状をそのまま受け入れたとも言えます。

 ただし、課題もあります。一つは、子供たちのスマホやネット依存、そしてトラブルに巻き込まれる危険性です。
 すでに家庭で長時間利用している生徒も多く、それに登下校時の時間が加わるだけだと思われるかもしれませんが、ネットやゲーム依存症の専門家は、子供たちがスマホに触れる時間がさらに長くなることに危機感を持っていると語っています。
 また、スマホを学校で管理する際、壊したり紛失することもあり得ます。学校の先生には負担になります。もちろん生徒が登下校時にトラブルに巻き込まれないよう気を配る必要もあります。

 もちろん今回の方針転換は、保護者も責任を担っていることを示しています。