シリーズ・「宗教」を読み解く 121
21世紀の宗教の使命⑥
1991年8月27日に「世界平和宗教連合」創設

ナビゲーター:石丸 志信

 文鮮明総裁夫妻が主導してきた統一運動は、1980年代の半ばから世界的な次元で宗教和合運動を推進し、その実りとして1991年8月27日に世界平和宗教連合の創設に至った。

 同年9月に入って米国に戻られた文鮮明総裁は、UTS(米国統一神学大学院)の学生たちの前でこのように語った。

 「ヨーロッパは連合時代が訪れ、EU(欧州連合)がスタートした。それは、北のプロテスタント文化圏と南のカトリック文化圏が和解することで可能となった。北米と中南米も同様に、カトリックとプロテスタントが和解と協力をなすようになり、大きな南北米大陸連合の動きが出てきた。アジアはどうだろうか? アジアは、キリスト教基盤はないが、諸宗教が協力することで平和をもたらす新たな共同体が生まれてくる。そのために世界平和宗教連合を創設した」

 私にとっては、初めて間近で聞く文総裁のメッセージだったので鮮明に覚えている。

▲世界平和宗教連合創設大会(1991年8月27日、韓国・ソウル)

 先に見たように、1990年代はグローバル化の時代を迎えていた。世界の宗教伝統もその影響を受けて、多様な変革がなされた。宗教間の対話や共存も図られるようになった時でもあった。
 その時に、文鮮明総裁夫妻は宗教間の和解と協力こそが世界平和の要であることを訴え、また、そのための会議や大会を主導して来られたのである。