シリーズ・「宗教」を読み解く 122
21世紀の宗教の使命⑦
9.11」によって新たに生み出された世界の対立構造

ナビゲーター:石丸 志信

 冷戦の終結を見た20世紀末、来るべき新世紀は新しい千年紀の始まりでもあり、戦争の世紀は終わり、平和な三千年紀を迎えることができるのではないかとの期待が膨らんでいた。

 しかし迎えた21世紀の初年に9.11同時多発テロを経験。イスラームの宗教伝統の復興と欧米キリスト教世界に対する敵愾(てきがい)心が結び付いた形で、世界に新たな対立構造を生み出した。

▲グラウンド・ゼロ(旧ワールド・トレードセンター跡地)

 それに対しても、文鮮明総裁夫妻は、アブラハム宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム)の和解と相互理解なくして世界平和はないと、「中東平和イニシアチブ」を提唱した。

 真に世界平和を実現するためには、まず宗教が和解し協力して、真なる愛の実践をしなければならないとの、文鮮明総裁夫妻の信念は変わらない。文総裁の聖和(逝去)以後も、韓鶴子総裁の指導の下、世界平和のための宗教の和解と協力のための努力は続けられてきた。

 2020年を迎え、世界の宗教伝統は大きな変革の局面を迎えている。新型コロナウイルスの感染拡大によっても、否応なく、各伝統の本質や在り方を見つめ直さざるを得なくなった。