青少年事情と教育を考える 96
紙の本のほうがスマホ読書より非認知能力高い

ナビゲーター:中田 孝誠

 読書の大切さは、いつの時代もいわれてきました。最近はスマートフォンやダブレットなどのスマートデバイスで読書する人も増えています。

 そうした中、スマートデバイスで読書するより紙の本で読書する人のほうが「自己理解力」や「主体的行動力」といった意識・非認知能力が高いという調査結果が出ました。

 国立青少年教育振興機構が昨年末に発表した「子供の頃の読書活動の効果に関する調査」です。
 調査は、20歳代から60歳代の5000人を対象に昨年2月に行われました。

 主に利用する媒体と読書時間で、①紙 ②スマホなどスマートデバイス ③パソコン ④パソコンとスマートデバイス ⑤読書をほとんどしない、に分けました。
 そして、「自己理解力(今の自分が好き、自分らしさがあるなど)」「批判的思考力(物事を順序立てて考える力、自分や他者の意見をまとめる力など)」「主体的行動力(分からないことはそのままにしないで調べるなど、何事にも進んで取り組む姿勢や意欲)」について、質問しています。

 結果を見ると、紙の本中心の人は「自己理解力」が14.02点、「批判的思考力」が13.48点、「主体的行動力」が13.11点で最も高く、パソコンとスマートデバイスを使う人が順に13.51点、13.06点、12.89点でした。他の媒体の人はそれ以下で、ほとんど本を読まない人がいずれも最低でした。

 この研究では、媒体に関係なく読書することの効果は述べていますが、紙とスマートデバイスで差が生じた原因については触れていません。紙のほうが全体像を把握したり、記憶にとどめやすいという専門家の意見もあります(読売新聞 20191224日)。

 この調査では、本を1冊も読まない人が49.8%と半数に上りました。一方、電子書籍を1冊以上読む人は19.7%で増えています。

 若い世代に読書習慣をどのように付けていくか。今後の課題といえます。