青少年事情と教育を考える 95
「家庭内再婚」で夫婦が一つになる

ナビゲーター:中田 孝誠

 前回は、出産をきっかけに夫婦の仲が急に冷え込む「産後クライシス」について取り上げました。
 夫が、妻の心身の不安定さを理解したり、育児に積極的に関わったり、夫婦一緒の時間を増やすことで、危機を乗り越えることができるということです。

 今回も夫婦関係について考えてみたいと思います。

 多くのカップルに結婚カウンセリング、心理療法を行ってきた近藤裕氏(ライフマネジメント研究所所長、故人)は、「夫婦関係の再構築=家庭内再婚」を提唱しました(『家庭内再婚』丸善ライブラリー)。

 結婚の意義があいまいになり、夫婦としての絆を育てる努力をしないまま、葛藤を抱える夫婦、また“家庭内離婚”の状態にある夫婦が少なくないといわれます。

 近藤氏は結婚生活の意味について、愛し合う営みを通して、「愛する技能」を養い、育てる場であると述べています。

 具体的には「配慮(愛する相手の生命と成長に関心を示し、積極的に関わること)」「責任(自発的に愛する相手のニーズに応答する)」「尊敬(相手をあるがままに受け入れ、あるがままの価値を認め、尊重する。相手の人間性を尊重する)」「理解(相手を尊敬し、配慮し、関わるためには、相手を理解することで可能になる)」が必要だといいます。

 また、結婚生活は愛の学習のプロセスだと強調しています。
 人間は幼児期の「愛される愛」を求める生き方から、青年期の「愛されるために愛する愛」に生き、結婚し、親となることによって、徐々に「愛するための愛」を学び、そして再び老人期において「愛される愛」に包まれる。
 そのような段階を経て、「愛し合う」人生を生きてきた喜びに満ちて人生を全うすることができるというのです。

 そのような意識を持つことによって、新しい夫婦関係が見いだせるというわけです。
 そして大切なことは、夫婦関係が子供へのモデル教育になるということです。児童精神科の専門家は、夫婦の関係が良くなければ、子供は結婚したいと思わないと語っています。

 家庭内再婚は、子供の未来にも希望を与えるということです。